Kenny Burrell / Blue Lights Vol.2

ギタリスト名義のアルバムは、当然ながらギターが全面的にフィーチャーされていて、それを覚悟し期待して聴くことになるのが普通。ところが、ここでの2部作のアルバムは、ケニー・バレルの心地よいギターを堪能できるものの、決してギターが主役になっている訳ではない。

ドラムのアート・ブレイキーも自分が主役でないことを自覚し裏方に徹している。参加したメンバーが、このアルバムの意図することを理解して録音に臨んだのだろう。だが、タイトルBlue Lightsの意味するところが、今でも不明。ジャケットはAndy Warhol(アンディ・ウォーホル)の作品。このタイトルがBlue Lightsなのかも知れない。

1. Rock Salt
2. The Man I Love
3. Chuckin'
4. Phinupi

Junior Cook - tenor saxophone (tracks 1,3,4)
Tina Brooks - tenor saxophone (tracks 1,3)
Louis Smith - trumpet
Kenny Burrell - guitar
Duke Jordan - piano (tracks 2,4)
Bobby Timmons - piano (tracks 1,3)
Sam Jones - bass
Art Blakey - drums

Recorded on May 14, 1958 at Manhattan Towers, NYC.

Kenny Burrell / Blue Lights Vol.1

タイトルBlue Lightsで、Vol.1とVol.2に分散されてリリース。1958年5月14日の1日だけのセッションながら、ピアノはデューク・ジョーダンとボビー・ティモンズが入れ替わって参加している。ケニー・バレル名義のアルバムなのに、二人のピアニストに声を掛けた理由が分からない。プロデューサーAlfred Lion(アルフレッド・ライオン)が、ブッキングのミスを犯してしまったのかと勘繰ってしまう。

ジャケットのイラストから、バレルのギターをしっとりと聴かせるアルバムと想像してしまうが、フロント3管で厚みのあるブルースが主体。むしろ、バレルのギターは後方支援に廻っている感じだ。3曲目のAutumn In New Yorkを除いて、ジャズギター好きには、あまりお勧めできないギタリスト名義のアルバムということになる。

1. Yes Baby
2. Scotch Blues
3. Autumn In New York
4. Caravan

Junior Cook - tenor saxophone (tracks 1,2,4)
Tina Brooks - tenor saxophone (tracks 1,2,4)
Louis Smith - trumpet (tracks 1,2,4)
Kenny Burrell - guitar
Duke Jordan - piano (tracks 1,2)
Bobby Timmons - piano (tracks 3,4)
Sam Jones - bass
Art Blakey - drums

Recorded on May 14, 1958 at Manhattan Towers, NYC.

Kenny Burrell / Kenny Burrell & John Coltrane

LPのライナーノーツは、久保田高司氏が担当し、1977年5月11日付けでこう書いている。「最後に一言。これは1967年7月17日にこの世を去ったコルトレーンが、プレスティッジに残した30に近いレコーディング・セッションの内の一つであるが、ここにもジョン・コルトレーンは生き続けている!」。コルトレーン名義のアルバムではないので、的外れな締め括り。

一方、CDでは1999年1月付けで成田正氏が、最後に次のようにまとめている。「ケニー・バレルとジョン・コルトレーン、この異色な顔合わせが照らし出したのは、自由のように見えながら実はハードルだらけの、ジャズの厳しさと豊かさだったのではないだろうか」。つまり、一回限りの二人の組合せでは、不完全燃焼だったと捉えたい。ただし、久保田氏も成田氏も、バレルとコルトレーンのデュオによる4曲目のWhy Was I Bornに、本アルバムの価値があると評価している。これには賛成するのだが、デュオを主体としたアルバムにしていれば、実験的な価値があったはずだ。

1. Freight Trane
2. I Never Knew
3. Lyresto
4. Why Was I Born
5. Big Paul

John Coltrane - tenor saxophone
Kenny Burrell - guitar
Tommy Flanagan - piano (except track 4)
Paul Chambers - bass (except track 4)
Jimmy Cobb - drums (except track 4)

Recorded on March 7, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.