John Lewis / Improvised Meditations & Excursions

邦題は『瞑想と逸脱の世界』。このタイトルだけを聞けば、コルトレーンやコールマンかと思ってしまう。しかも、演奏を聴いて、どこに「瞑想」のイメージがあり、どこへ「逸脱」するのか分からない。meditationは「瞑想、思索」であり、excursionは「逸脱、脱線」なので、邦題に問題はない。そもそも、このタイトルはジョン・ルイス自身なのか、それともプロデューサーによるものなのか。

MJQを除き、このルイスのリーダーアルバムは6作目。それまでピアノトリオで通したアルバムはなかった。つまり、彼にとっては新たな取り組みだった訳である。excursionの語源は「外に走り出ること」。そこから「未知の分野などに足を踏み入れること」という意味合いが含まれる。「即興で思索しながら、初のピアノトリオ・アルバム」と受け取ったほうが良いだろう。かなり意訳になるが、「ジョン・ルイスの新たな挑戦」。こんな邦題にしていれば、売り上げ倍増。だったかも知れない。

1. Now's The Time
2. Smoke Gets In Your Eyes
3. Delaunay's Dilemma
4. Love Me
5. Yesterdays
6. How Long Has This Been Going On
7. September Song

John Lewis - piano
George Duvivier - bass (tracks 1-3,7)
Percy Heath - bass (tracks 4-6)
Connie Kay - drums

Recorded on May 7 & 8, 1959.

Janis Joplin / Pearl

このアルバムは1970年9月5日に録音を開始したが、10月4日にジャニスが薬物の過剰摂取で急死したことにより、未完成となったことは良く知られている。所有するアルバムの歌詞カードには、ジャニスが死の当日に録音する予定だったBuried Alive In The Bluesが載っていない。この曲がずっと気になっていたので、ネットで調べたところジャニスの作詞が見つかった。邦題は「生きながらブルースに葬られ」である。

All caught up in a landslide, bad luck pressing in from all sides
Just got knocked off of my easy ride, Buried alive in the blues
すべてが地滑りに巻き込まれ 周りから不運が押し寄せてくる
誘惑からは振り落とされ 生きながらブルースに葬られてしまった

何とも意味ありげな詞であるが、楽器のみの軽快な演奏。これ以上、このアルバムに関しては、今さら何も書くことはない。1970年初めに熱いロックの時代があったという事実だけで十分である。

1. Move Over
2. Cry Baby
3. A Woman Left Lonely
4. Half Moon
5. Buried Alive In The Blues
6. My Baby
7. Me And Bobby McGee
8. Mercedes Benz
9. Trust Me
10. Get It While You Can
11. Tell Mama
12. Little Girl Blue
13. Try (Just A Little Bit Harder)
14. Cry Baby

Janis Joplin - vocals, guitar on "Me and Bobby McGee"
Richard Bell - piano
Ken Pearson - organ
John Till - electric guitar
Brad Campbell - bass guitar
Clark Pierson - drums
Bobby Womack - acoustic guitar on "Trust Me"
Bobbye Hall - conga, percussion
Phil Badella, John Cooke, Vince Mitchell - backing vocals
Sandra Crouch - tambourine

Recorded in September 5 - October 1, 1970.
Recorded on July 4, 1970 in Calgary during the Canadian Festival Express Tour (tracks 11 - 14).

Joni Mitchell / Shadows And Light

このアルバムは、ジョニ・ミッチェル自身のスタジオ録音アルバム『ミンガス』と対をなすライブ録音。どちらも言わば企画モノであって、背景を理解しないと評価が難しい。そのキーワードは、まさしくジャズ・ベーシストの巨人「チャールズ・ミンガス」。ミッチェルとミンガスが、どういうきっかけで交流を深めたのか。それが知りたくて、『ミンガス』に続いて購入したのだが、結局のところ、その解は得られなかった。

輸入盤CDでは、ミンガスのことは一切触れられていない。ただし、ミンガスの作品Goodbye Pork Pie Hatは、どちらのアルバムにも収録されている。このライブはDVD化されていて、かなり評価が高いようだ。その主な理由は、ジャコ・パストリアス、パット・メセニー、マイケル・ブレッカーなどが参加しているからだが、ミンガスとは縁が薄いメンバーばかり。ミンガスを意識して聴いていると、素通りしていくアルバムなのだ。

1. Introduction
2. In France They Kiss On Main Street
3. Edith And The Kingpin
4. Coyote
5. Goodbye Pork Pie Hat
6. The Dry Cleaner From Des Moines
7. Amelia
8. Pat's Solo
9. Hejira
10. Dreamland
11. Band Introduction
12. Furry Sings The Blues
13. Why Do Fools Fall In Love
14. Shadows And Light
15. God Must Be A Boogie Man
16. Woodstock

Joni Mitchell - electric guitar, vocals
Pat Metheny - lead guitar
Jaco Pastorius - fretless bass
Don Alias - drums, percussion
Lyle Mays - electric piano, synthesizer
Michael Brecker - saxophones
The Persuasions - backing vocals (tracks 13,14)

Recorded in September 1979 at the Santa Barbara County Bowl on the Mingus tour.