John Coltrane / DAKAR

テディ・チャールスがプロデューサーで、バリトン2本とテナー1本という特異な編成によるセッション。全6曲は、テディ3曲、ペッパー・アダムス2曲、マル・ウォルドロン1曲によるもの。コルトレーン名義の最初のアルバムということで価値があるのだが、コルトレーンは脇役に近い。テディがヴァイブで参加していれば、間違いなくテディ名義のアルバムになっただろう。

コルトレーンの実質的な初リーダーアルバムはCOLTRANE(1957年5月31日録音)。その約1ヶ月前(4月21日)のテディによる実験的なセッションに参加したコルトレーンの記録である。

1. Dakar
2. Mary's Blues
3. Route 4
4. Velvet Scene
5. Witches Pit
6. Cat Walk

John Coltrane - tenor saxophone
Cecil Payne - baritone saxophone
Pepper Adams - baritone saxophone
Mal Waldron - piano
Doug Watkins - bass
Art Taylor - drums

Recorded on April 20, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

John Coltrane / Tenor Conclave

4人のテナーサックスによる共演。ただし、火花を散らすような闘いはほとんどない。スケジュールが空いていたミュージシャンを集めてのセッション。出来が良ければレコードにしてみようか、なんて軽い気持ちだったのだろう。コルトレーン名義のアルバムではない。少なくともLPにおいては、ジャケットにはHank Mobley, Al Cohn, John Coltrane, Zoot Simsの順に名前が記載されている。ところが、CD化でJohn Coltrane, AL Cohn, Zoot Zims, Hank Mobleyと順序を変えてしまった。4人はすでにこの世にいないので、騒ぐことはないだろうが、少なくともハンク・モブレー・ファンには失礼である。

さらに、CD化でボーナストラックが4曲追加された。と思ったら、コルトレーンのアルバムCattin'からのコピー。Cattin'は全6曲なので、あまりにも中途半端な企画。コルトレーンの音源は全て聴きたいというマニア向けのアルバムである。ちなみに、Conclaveは秘密会議の事。

1. Tenor Conclave
2. Just You, Just Me
3. Bob's Boys
4. How Deep Is The Ocean
5. Cattin'
6. Sunday
7. Anatomy
8. Vodka

Tracks 1 - 4
Al Cohn - tenor saxophone
John Coltrane - tenor saxophone
Hank Mobley - tenor saxophone
Zoot Sims - tenor saxophone
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums

Recorded on September 7, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 5 - 8 (same as album Cattin')
John Coltrane - tenor saxophone
Paul Quinichette - tenor saxophone
Mal Waldron - piano
Julian Euell - bass
Ed Thigpen - drums

Recorded on May 17, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

John Coltrane / Stellar Regions

コルトレーンのアルバムジャケットの中で最高の出来と言いたい。光の使い方、文字の配列、そして天空を見上げるトレーン。オリジナルLPのレイアウトより安定感がある。コルトレーンの死後に発見されたテープであるものの、世に出すべくして録音されたのだろう。別テイクを含む全11曲は一日で録音されている。つまり、あるコンセプトに基づいたセッションであった。

そして、ここにはファラオ・サンダースがいない。つまり、ガンの兆候があって体調に苦しんでいたはずだが、様々な実験を試みようとしたコルトレーンをここでは知ることができる。アルバム全体を通して静寂の中からのコルトレーンの叫びであり、ベースソロによる7曲目 Jimmy's Modeもアルバムに溶け込んでいる。1967年2月15日録音。95年10月10日リリース。30年近く眠っていた音源である。

1. Seraphic Light
2. Sun Star
3. Stellar Regions
4. Iris
5. Offering
6. Configuration
7. Jimmy's Mode
8. Tranesonic
9. Stellar Regions [alternate take]
10. Sun Star [alternate take]
11. Tranesonic [alternate take]

John Coltrane - tenor saxophone
Alice Coltrane - piano
Jimmy Garrison - bass
Rashied Ali - drums

Recorded on February 15, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.