John Coltrane / Selflessness

1963年7月のニューポート・ジャズ・フェスティバルでのライブ録音から2曲、65年10月のスタジオ録音からタイトルの1曲という構成。前2曲は所有するアルバムColtrane At Newportと重複するので、自分としては全く価値がない。従って、タイトル曲Selflessnessのみに意味があるのだが、この曲はアルバムKULU SE MAMAと同日の録音。本来ならば、KULU SE MAMAに組み込まれるべき曲だった。

ところが、ジャケットをよく見ると、SELFLESSNESS featuring MY FAVORITE THINGSとある。つまり、このアルバムが最初にリリースされた時点では、ニューポートのライブアルバムは、まだ世に出ていなかったということだ。手に入れた国内盤中古CDのライナーノーツは後藤雅洋氏が担当。1987年2月付けとなっていて、最良の「マイ・フェイヴァリット・シングス」が聴けるアルバムと絶賛している。結局のところ、Selflessnessは「無我」ないしは「無欲」なので、My Favorite Thingsを引き立てたのか。

1. My Favorite Things
2. I Want To Talk About You
3. Selflessness

Tracks 1 & 2
John Coltrane - soprano saxophone, tenor saxophone
McCoy Tyner - piano
Jimmy Garrison - bass
Roy Haynes - drums
Recorded on July 7, 1963 at Newport Jazz Festival, Rhode Island.

Track 3
John Coltrane - tenor saxophone
Pharoah Sanders - tenor saxophone
Donald Garrett - bass clarinet, bass
McCoy Tyner - piano
Jimmy Garrison - bass
Elvin Jones - drums
Frank Butler - percussion
Juno Lewis - percussion
Recorded on October 14, 1965 at Western Recorders, Los Angeles, CA.

John Coltrane / OM

宗教的色彩の強いアルバムと言われている。確かに、ジャケットも特異であり、曲の始まりと終わりに念仏の如く「オーム」と唸る場面が出てくる。曲そのものは調和された世界を描いていて、決してフリーではない。全体調和の中での自由な演奏である。だからこそ、予定通りのタイミングに「念仏」なのである。

LPでは見開きジャケットの中に、Nat Hentoff(ナット・ヘントフ)による長文の解説が載っている(CDでも同様だが、あまりにも文字が小さすぎてルーペを使っても読み取れない)。その一部をGoogle翻訳の力を借りて訳してみた。

In one sense, OM is, in Hindu religion, the mystic equivalent of the name of the Deity. It also connotes for some believers absolute goodness and truth - the essence of spirituality.

ある意味、ヒンドゥー教でのOMは神の名と神秘的に同等である。それはまた、信者にとって絶対的な善と真実、つまり霊性の本質を暗示している。

As John Coltrane pointed out during a conversation about this album, "OM means the first vibration - that sound, that spirit which set everything else into being. It is The Word from which all men and everything else comes, including all possible sounds that man can make vocally. It is the first syllable, the primal word, the word of Power."

ジョン・コルトレーンは、このアルバムについて会話の中でこう指摘した。「OMは重要な感覚的反応を意味している。あらゆるものが存在する響きや精神なのだ。すべての人とあらゆるものから発せられる言葉で、人の声による響きも含んでいる。それは重要な音節であって、原始的な言葉、神の力をもつ言葉なのだ」。

ちなみに、LPではA面がOM (Part 1)、B面がOM (Part 2)と別れていたが、CDではOMの1曲のみ。28分58秒。

1. OM

John Coltrane - tenor saxophone, soprano saxophone
Pharoah Sanders - tenor saxophone
Donald Rafael Garrett - bass clarinet
Joe Brazil - flute
McCoy Tyner - piano
Jimmy Garrison - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on October 1, 1965 at Camelot Sound Studios, Lynwood, Washington.

John Coltrane / A Love Supreme: Live In Seattle

2021年10月にリリースされたアルバム。以下は、商品紹介からの抜粋。「当時は録音されたこと自体が公に知られておらず、録音を行ったのは、コルトレーンがシアトルに滞在していた1週間の間、コルトレーン・バンドの前座を任されていた、自身もサックス奏者でコルトレーンの友人であったジョー・ブラジルという人物。〈中略〉もともとリリース目的ではなくプライベートな記録用に録音したため、ブラジルが2008年に亡くなるまでテープは彼の自宅に保管されており、生前、親しい友人にこのテープを数回聴かせたことがあったことから、それが噂として広まって今回の発掘に至った」。

アルバムLive In Seattleは1965年9月30日の録音。本作は2日後の10月2日。そして、その間の1日には、アルバムOMをリンウッドのスタジオで録音。リンウッドはシアトルから16マイル離れているが、この3枚はシアトル3部作と言ってもいいだろう。Live In Seattle 76分41秒、OM 28分58秒、A Love Supreme 75分31秒という演奏時間である。OMは30分弱なので、スタジオでは翌日演奏するA Love Supreme(至上の愛)のリハーサルを兼ねていたのではないかと思う。プライベート録音のため、音のバランスが非常に悪く演奏自体の評価が難しいのだが、会場からの拍手を聴く限りでは、充実ライブだったようだ。

1. A Love Supreme, Pt. I - Acknowledgement
2. Interlude
3. A Love Supreme, Pt. II - Resolution
4. Interlude 2
5. A Love Supreme, Pt. III - Pursuance
6. Interlude 3
7. Interlude 4
8. A Love Supreme, Pt. IV - Psalm

John Coltrane - tenor saxophone, percussion
Pharoah Sanders - tenor saxophone, percussion
Carlos Ward - alto saxophone
McCoy Tyner - piano
Jimmy Garrison - bass
Donald Rafael Garrett - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on October 2, 1965 at The Penthouse, Seattle, WA.