Ike Quebec / Bossa Nova Soul Samba

ブルーノートが作ったジャズ「艶歌」アルバム。ジャケットそのものが「艶歌」だ。ジャケットからは熱くなるサンバを想像してしまうが、しっとりとじっくりと聴かせるサンバであって、つまりボサノバである。ギターにケニー・バレルを起用したことで、過剰に熱くならず、じわっと聴かせるボサノバ・アルバムを創り上げることができた。

ドヴォルザークのGoin' Home(家路)とフランツ・リストのLiebestraum(愛の夢第3番)を収録していることに注目。前者はジャズの素材として良く使われるが、後者は極めて珍しい。少なくとも所有アルバムにはなかった。問題はアルバムタイトル。7曲目にアイク・ケベック作のBlue Sambaがあるので、せめてBossa Nova Blue Sambaか、Ike Ike, Bossa!ぐらいが良かったかな。でも、「行け、行け、ボッサ!」じゃだめだな。

1. Loie
2. Lloro Tu Despedida
3. Goin' Home
4. Me 'n You
5. Liebestraum
6. Shu Shu
7. Blue Samba
8. Favela
9. Linda Flor
10. Loie [alternate take]
11. Shu Shu [alternate take]
12. Favela [alternate take]

Ike Quebec - tenor saxophone
Kenny Burrell - guitar
Wendell Marshall - bass
Willie Bobo - drums
Garvin Masseaux - chekere

Recorded on October 5, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Ike Quebec / Blue & Sentimental

タイトル、そしてジャケットからブルージーで気怠いアイク・ケベックのサックスを感じ取れるアルバム。そして、グラント・グリーンのギターが、その雰囲気を見事に引き出している。だが、その引き立て役のグリーンは、ジャケットでは特別扱いされていない。本来ならば、タイトルかジャケットに"with Grant Green"と入れるべき演奏内容。

しかしながら、プロデューサーのアルフレッド・ライオンは、それを敢えて避けたのではないだろうか。ケベックの哀愁溢れるサックスを世に認知させることが、本作の狙い。録音の時点で、ケベックは40歳を過ぎていて、一方のグリーンは20代半ば。グリーンの力を借りたケベックのアルバム、そんな構図にしたくなかったと思われる。本作の録音は1961年12月。その約1年後の63年1月16日、ケベックは44歳で他界。ライオンの狙いは的中したのかも知れないが、当の本人が逝ってしまった。

1. Blue And Sentimental
2. Minor Impulse
3. Don't Take Your Love from Me
4. Blues For Charlie
5. Like
6. Count Every Star
7. That Old Black Magic
8. It's All Right With Me

Tracks 1 - 5, 7 & 8
Ike Quebec - tenor saxophone, piano (tracks 2,4,8)
Grant Green - guitar
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums

Track 6
Ike Quebec - tenor saxophone
Grant Green - guitar
Sonny Clark - piano
Sam Jones - bass
Louis Hayes - drums

Recorded on December 16 (except track 6) & 23 (track 6), 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.