Hampton Hawes / The Trio Vol.3

ハンプトン・ホーズ、レッド・ミッチェル、チャック・トンプソンのトリオ。1955年6月、12月、56年1月の3回のセッションを、録音順にアルバムVol.1, 2, 3に分けてリリース。曲数は順番に10曲、9曲、10曲でバランスよく配置している。ただし、ジャケットにナンバーを記載しているのはVol.2のみ。それぞれのメインタイトルは"Hampton Hawes Trio", "This is Hampton Hawes", "everybody likes Hampton Hawes"となっている。

このVol.3は「誰もが好きなハンプトン・ホーズ」ということで、ワニでさえワインを飲みながら全身でリズムを刻むというジャケット。52年から54年にかけて、米国陸軍の一員として日本に駐留したホーズ。その頃の愛称は「お馬さん」だった。除隊して帰国後に録音した3枚のアルバム。ワニではなく馬にして欲しかった。

1. Somebody Loves Me
2. The Sermon
3. Embraceable You
4. I Remember You
5. A Night In Tunisia
6. Lover, Come Back To Me
7. Polka Dots And Moonbeams
8. Billy Boy
9. Body And Soul
10. Coolin' The Blues

Hampton Hawes - piano
Red Mitchell - bass
Chuck Thompson - drums

Recorded on January 25, 1956 at Contemporary's studio, Los Angeles.

Hampton Hawes / The Trio Vol.2

ハンプトン・ホーズは左利きだったのだろうか。見事に決まっているジャケットの写真。煙草を持つ手は左。自分も左手に煙草を持ち続け、50年に近づいた。そもそも、ジャズとは不健康な音楽。かつての日本では、一杯のコーヒーで煙草を何本もくゆらせ、モダンジャズを中心に暗いジャズ喫茶で聴いてきたのだ。まぁ、一種のアングラ文化。

ホーズは、マイルス、コルトレーン、モンク、エバンスなどに比べると、決して大物ではなかったが、ジャズが持っている本来のエッセンスを滲み出してきたピアニストである。別の見方をすれば、マイルスやコルトレーンは、ジャズという枠を超えようとしていたのに比べ、ホーズ自身は根っからジャズが好きだったと言えるかもしれない。それは、6曲目の'Round Midnightに象徴される。「モンクのこの曲は、とてもイマジネーションが湧いてくる。でも、モンクを超えようなんて思っていない。自分らしいミッドナイトを演奏したいんだ」と語っている感じがする。

1. You And The Night And The Music
2. Stella By Starlight
3. Blues For Jacque
4. Yesterdays
5. Steeplechase
6. 'Round Midnight
7. Just Squeeze Me
8. Autumn In New York
9. Section Blues

Hampton Hawes - piano
Red Mitchell - bass
Chuck Thompson - drums

Tracks 1, 3 & 6
Recorded on January 25, 1956 at Contemporary's Studio, Los Angeles, CA.

Tracks 2, 4, 5, 8 & 9
Recorded on December 3, 1955 at Contemporary's Studio, Los Angeles, CA.

Track 7
Recorded on June 28, 1955 at Los Angeles Police Academy, Chavez Ravine, CA.

Hampton Hawes / The Trio Vol.1

ハンプトン・ホーズ、レッド・ミッチェル、チャック・トンプソンのトリオ。1955年6月、12月、56年1月の3回のセッションを、ほぼ録音順にアルバムVol.1, 2, 3に分けてリリース。なので、Vol.2とVol.3は残り物という訳ではない。どのアルバムも完成度が高く、後味が良くて飽きがこない。

はしゃぎ過ぎないホーズのピアノに、ミッチェルのベースがしっかりと足固めをしている。そして、These Foolish Thingsでの曲のイメージを見事に表現したミッチェルのベースライン。ビル・エバンスが、この曲を一度だけ1968年6月に録音している。アルバムSome Other Timeに収められ、ベースはエディ・ゴメス、ドラムはジャック・ディジョネット。聴き比べるとミッチェルに軍配あり。

1. I Got Rhythm
2. What Is This Thing Called Love
3. Blues The Most
4. So In Love
5. Feelin' Fine
6. Hamp's Blues
7. Easy Living
8. All The Thing You Are
9. These Foolish Things
10. Carioca

Hampton Hawes - piano
Red Mitchel - bass
Chuck Thompson - drums

Recorded on June 28, 1955 at Los Angeles Police Academy, Chavez Ravine, CA.