メンバーを眺めるだけでドキドキする。ウィントン・ケリー、ポール・チェンバース、アート・ブレイキー。このリズム陣に対して、ハンク・モブレーは1曲目のRememberを除く自作5曲を持ち込んでセッションに臨んだ。結果は上出来。実に楽しい。だけど、最高の満足感が得られない。その理由は、スタジオ録音だったこと。このメンバーなら、一発勝負でのライブを聴きたかった。「オー・イェーイ」と声を掛けたくなる個所が多くあるのだ。
そこで、所有するモブレーがリーダーの7枚のアルバムを調べたら、すべてスタジオ録音。これは不思議。さらに、モブレーのディスコグラフィーによると、自身がリーダーのライブアルバムは2枚だけ。どちらも、1968年3月にヨーロッパで録音。プロデューサーであるアルフレッド・ライオンは、モブレーに対して「リーダーとして観客の前に立つと、自分を出し切れない弱い性格」という評価だったのかも知れない。
1. Remember
2. This I Dig Of You
3. Dig Dis
4. Split Feelin's
5. Soul Station
6. If I Should Lose You
Hank Mobley - tenor saxophone
Wynton Kelly - piano
Paul Chambers - bass
Art Blakey - drums
Recorded on February 7, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.