George Adams / Nightingale

1988年に日本で発足したsomethin'elseレーベルの第2回新譜。当時はLPとCDの同時発売だったのだろう。LPのライナーノーツの用紙をそのまま縮小しCDに入れたため、あまりにも小さい文字で読んでいなかった。今回、初めて目を通したところ、このアルバムの意図を理解することができた。

Danny Richmond(ダニー・リッチモンド)は1988年3月15日、Gil Evans(ギル・エバンス)は同年同月20日に他界。二人に捧げるために、ジョージ・アダムス自身が企画したアルバムである。「明日に架ける橋」を渡り、「この素晴らしき世界」に喜びを感じ、いくつかの「川」を越えて、「家路」につくという構成。そして、アダムスは、このアルバムを発表した4年後の92年11月14日に他界。享年52。素晴らしいアルバムを遺してくれた。

1. Bridge Over Troubled Water
2. What A Wonderful World
3. Cry Me A River
4. A Nightingale Sang In Berkeley Square
5. Moon River
6. Precious Lord, Take My Hand
7. Ol' Man River
8. Goin' Home

George Adams - tenor saxophone, flute, soprano saxophone
Hugh Lawson - piano
Sirone - bass
Victor Lewis - drums

Recorded on August 19 & 20, 1988 at A & R Recording, NYC.

George Adams / Decisions

CDの帯から。「ドン・プーレンとの双頭バンドを組んでいた頃のジョージ・アダムスはとにかく最強!アクの強さでは誰にも負けないアダムスが、打楽器のようにピアノを打ち鳴らすプーレンという相棒を得てダイナミックにブロウする!」。このコピーからだとエネルギー溢れる白熱のセッションを思い浮かべてしまうが、決してそんなことはない。

プーレン作2曲、アダムス作2曲、ドラムのダニー・リッチモンド作1曲、そしてトラディショナル曲His Eye Is On The Sparrowというバランスの良い構成で、フリーの要素とフォルクローレの雰囲気を醸し出している。アダムス作のラスト曲I Could Really For Youでは、セッションの成功を感じ取ったのだろうか、アダムス自身が歌っている。80年代ジャズの一つの方向性を示したアルバムである。

1. Trees And Grass And Thangs
2. His Eye Is On The Sparrow
3. Message Urgent
4. Decisions
5. Triple Over Time
6. I Could Really For You

George Adams - tenor saxophone, vocals
Don Pullen - piano
Cameron Brown - bass
Dannie Richmond - drums

Recorded on February 2 & 3, 1984 in Monster, Netherlands.