ザ・フォーク・クルセダーズ / ハレンチ

このアルバムは、フォークルが1967年の解散を記念して、製作費23万円で300枚を自主制作したもの。そういうエピソードを知るだけで時代を感じる。ライナーノーツは極めて不真面目。パロディと言った方が良いかも知れない。その中で、7曲目の「ひょうたん島」についてはきちんと解説している。「お馴染みのフォークルのNo.18。この歌がなかったならばフォークの道を踏みはずさず、まともなグループになっていたであろうと言われる程のフォークルの転機となった曲です」と。

「ひょっこりひょうたん島」の放送期間は1964年4月から69年4月。フォークルの活動期間と重なっている。「まるい地球の水平線に何かがきっと待っている」というフレーズが、フォークルの活動の原点だったような気がする。ちなみに、本作の2曲目のイムジン河は、朝鮮語歌詞入りバージョンである。

1. そうらん節
2. イムジン河
3. ドリンキング・グァード
4. デインクの歌
5. グァンタナメラ
6. ラ・バンバ
7. ひょうたん島
8. 帰ってきたヨッパライ
9. 女の子は強い
10. ヨルダン河
11. コキリコの唄
12. 雨を降らせないで

加藤和彦 / 北山修 / 平沼義男

発売 1967年10月15日

Freddie Redd / The Music From The Connection

後藤雅洋氏の著書『一生モノのジャズ名盤500』では、「聴かせどころ満載の、ジャズ・オペラとでも言えばよいのか、フレディ・レッド作曲のこの作品集は、ジャッキー・マクリーンが切なく吹いているからこそ名曲なのである」と紹介している。

マイケル・カスクーナによるCDのライナーノーツはこう始まる(訳:行方均)。「1959年、ドラッグ・ディーラー(コネクション)を待つヘロイン中毒者たちを描いたジャック・ゲルバー作の戯曲の出演者にゲルバーによって起用された時、フレディ・レッドとしての評判は強力なものがあった」。ブルーノートとしては極めて異色なアルバム。レッドの作品は傾聴に値するが、マクリーンのアルトを聴くアルバムと納得できなければ、500圏内は難しいだろう。

1. Who Killed Cock Robin
2. Wigglin'
3. Music Forever
4. Time To Smile
5. Theme For Sister Salvation
6. Jim Dunn's Dilemma
7. O.D.

Freddie Redd - piano
Jackie McLean - alto saxophone
Michael Mattos - bass
Larry Ritchie - drums

Recorded on February 15, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Freddie Hubbard / Hub-Tones

正直、メンバーの全員が超一流ではないものの、ジャケットは超一級品。デザイナーはReid Miles(リード・マイルス)。ブルーノートのジャケットデザインを400枚以上手掛けたそうだ。そして、本作で鋭い緊張感を示しているのは、エリック・ドルフィーの雰囲気が漂うJames Spaulding(ジェームス・スポールディング)のアルトとフルート。フレディ・ハバードのトランペット一本だけでは、単調になっていたかも知れない。さらに、ハービー・ハンコックを中心にしたバックがフロント2管を見事に支えている。超一流を揃えなくても、そのアンサンブルによって深みのあるジャズを展開できる好例。

ところで、2015年2月にリリースされたボブ・ディランのアルバムShadows In The Nightは、全10曲をジャズのスタンダード曲で貫き通した。そして、ジャケットまでもブルーノート風で本作と酷似。こちらのデザイナーはGeoff Gans(ジェフ・ガンズ)。真似されるというのは、やはり超一級の証なのだ。

1. You're My Everything
2. Prophet Jennings
3. Hub-Tones
4. Lament For Booker
5. For Spee's Sake
6. You're My Everything [alternate take]
7. Hub-Tones [alternate take]
8. For Spee's Sake [alternate take]

Freddie Hubbard - trumpet
James Spaulding - alto saxophone, flute
Herbie Hancock - piano
Reggie Workman - bass
Clifford Jarvis - drums

Recorded on October 10, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.