Duke Jordan / Flight To Denmark

デューク・ジョーダンのディスコグラフィーを見ると、1962年に5回のセッションへ参加。そして、40歳になった7月17日のセッションを最後に、73年までの11年間が空白である。この期間、タクシー・ドライバーなどで生活をつないでいた。ジャズマンとして脂が乗ってくる40歳台は音楽とは無縁だったらしい。50歳になって再び声が掛かり、51歳の冬、コペンハーゲンでこのアルバムを録音。

コートに両手を突っ込んで雪の中に立つジョーダン。長かったなぁという思いだったはずだ。しかし、このアルバムFlight To Denmarkが、長い間愛される名盤になるとは、ジャケットの写真を撮った時点で本人が想像していたかどうか。LPでは全8曲だったが、CDでは別テイクが3曲、そしてジョーダン作の名曲Jorduが加わった。

1. No Problem
2. Here's That Rainy Day
3. Everything Happens To Me
4. Glad I Met Pat [take 3]
5. Glad I Met Pat [take 4]
6. How Deep Is The Ocean
7. Green Dolphin Street
8. If I Did-Would You? [take 1]
9. If I Did-Would You? [take 2]
10. Flight To Denmark
11. No Problem [take 2]
12. Jordu

Duke Jordan - piano
Mads Vinding - bass
Ed Thigpen - drums

Recorded on November 25 & December 2, 1973 at Sound Track, Copenhagen, Denmark.

Duke Jordan / Flight To Jordan

全曲、デューク・ジョーダンの作品。ゆったりとした時間が流れていく感覚を味わえるアルバム。ジャケットも、その流れに漂っている感じだ。だが、人生はそれほど平坦ではない。本作は、ラスト曲Si-Joyaで見事に幕を閉じる。後にNo Problem(邦題:危険な関係のブルース)となった原曲。だが、原田和典氏のライナーノーツによると、フランス映画のフィルムに提供したこの曲は、ジョーダンの名前がクレジットされなかったようだ。つまり、ジョーダンは「ジョーダンじゃないぜ!」と叫んだのだった(原田氏はそこまで書いていないが)。

学生のジャズ研時代、No Problemはよく練習した曲の1つ。馴染みやいメロディーと複雑でないコード進行。それだけに、アドリブで勝負するのは難しかった。そもそも、Si-Joyaの意味が分からないし、ブルース進行でないNo Problemが、なぜに「危険な関係のブルース」なのかも、未だに分かっていない。まぁ、そんなことはNo Problem(問題なし)で、じっくり聴けということなのだろう。

1. Flight To Jordan
2. Starbrite
3. Squawkin'
4. Deacon Joe
5. Split Quick
6. Si-Joya

Stanley Turrentine - tenor saxophone
Dizzy Reece - trumpet
Duke Jordan - piano
Reggie Workman - bass
Art Taylor - drums

Recorded on August 4, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.