Dizzy Gillespie / Giants Of Jazz In Berlin '71

強力なメンバー。プロデューサーのGeorge Wein(ジョージ・ウェイン)が、まさしくジャズ界の巨人を集め、1971年のニューポート・ジャズ・フェスティバルに向けて誕生させたグループ「ジャイアンツ・オブ・ジャズ」。その海外公演を捉えた1枚。11月5日のベルリン・コンサート。実質的なリーダー、というか旗振り役はディジー・ガレスピー。それはよしとして、モンクの影が薄い。さらには、アル・マッキボンのベースが前に出過ぎているのだ。

ウェイン自身によるライナーノーツに、その答えが書いてあった。「モンクは、我を出さないで男で、はにかみ屋だったから、こうしたいと思うことがあっても、はっきりと口にすることはなかった。〈中略〉中には、ソロをとらなかったり、ソロをとる気にもならなかった曲もあったが、それでもピアノはちゃんと弾いていた」。さらに、「ディジーはマッキボンに、どっしりとした太い大きな音を出せと言った。コンサートを聴いていて、ベースが私には余りにも大きかったので下げるように言った。〈中略〉ディジーはきっぱりと、いいや、それでいいんだ。それがこの音楽の土台なんだと言った」。モンクは文句を言わず、ディジーはリーダー役に徹したライブである。

1. Introduction Of The Band
2. Blue 'N' Boogie
3. 'Round Midnight
4. Tour De Force
5. Lover Man
6. Tin Tin Deo
7. Everything Happens To Me
8. A Night In Tunisia

Dizzy Gillespie - trumpet
Kai Winding - trombone
Sonny Stitt - alto saxophone, tenor saxophone
Thelonious Monk - piano
Al McKibbon - bass
Art Blakey - drums

Recorded on November 5, 1971 at Philharmonie, Berlin, West Germany.

Dizzy Gillespie / Sonny Side Up

LPのライナーノーツは油井正一氏で、こう始まる。「ヴァーヴ・レコード社長だったノーマン・グランツは、徹底したジャムセッション・ファンであった。1940年代から50年代にかけて、一流ジャズメンを、専属下におき、興味深い顔合わせでジャムセッションのアルバムをつくった」。そして、セッションに参加した6人のミュージシャンを紹介し、「このアルバムは、三人のホーン・プレイアーが至芸を競うばかりではなく、ガレスピーの大顔合わせセッションのなかでも、ひときわ印象的な作品となっているのである」と、結ぶ。油井氏らしい、分かりやすい解説。

つづく曲名紹介の中で、アルバムタイトルの「サニー・サイド・アップ」とは、卵を二個使った「目玉焼き」のことである、と説明している。勉強になるなぁと思って調べてみると、「二個」とは限らないことが分かった。油井氏の勘違いなのだろう。CDのライナーノーツはLPからそのまま借用。「二個」は訂正されていなかった。

1. On The Sunny Side Of The Street
2. The Eternal Triangle
3. After Hours
4. I Know That You Know

Dizzy Gillespie - trumpet, vocal (track 1)
Sonny Stitt - tenor saxophone
Sonny Rollins - tenor saxophone
Ray Bryant - piano
Tommy Bryant - bass
Charlie Persip - drums

Recorded on December 19, 1957 at Nola Recording Studio, NYC.

Dizzy Gillespie / At Newport

CD化によって3曲追加となった。その中に「チュニジアの夜」が入っていて、中古輸入CDを送料別258円で購入したのは大正解。LPをデジタル化した音源からさよならできる。かつてLPを大量に買い漁り、さらに同じアルバムをCDで購入するというのは、明らかに無駄な出費。だが、こういうオマケがつくと、必ずしも全てが無駄とは言えない。

さて、ニューポート・ジャズ・フェスティバルのくつろいだ雰囲気がびしびしと伝わってくるアルバム。ディジー・ガレスピーの司会に対して、観客からの喝采がさらに場を和らげる。LPのライナーノーツでいソノてルヲ氏が絶賛しているのもうなずける。ジャケットの写真もぴったり。

1. Dizzy's Blues
2. School Days
3. Doodlin'
4. Manteca
5. I Remember Clifford
6. Cool Breeze
7. Zodiac Suite
8. Carioca
9. A Night In Tunisia

Dizzy Gillespie - trumpet, vocals
Talib Dawud, Lee Morgan, E.V. Perry, Carl Warwick - trumpet
Chuck Conners, Al Grey, Melba Liston - trombone
Ernie Henry, Jimmy Powell - alto saxophone
Benny Golson - tenor saxophone
Billy Mitchell - tenor saxophone
Pee Wee Moore - baritone saxophone
Wynton Kelly - piano
Paul E. West - bass
Charlie Persip - drums

Recorded on July 6, 1957 at Newport, Rhode Island.