デクスター・ゴードンのディスコグラフィーで新たな事実を発見。本作を録音した1961年5月6日は、全く違うメンバーで別のセッションが行われ、アルバムDexter Calling...として62年1月末にリリース。本作のリリースは61年8月。プロデューサーのアルフレッド・ライオンは、ゴードンのアルバムを立て続けに出す事を目論んでいた。結果的に、本作はBLP 4077、Dexter Calling...はBLP 4083の型番となった。
輸入盤CDの2003年付けライナーノーツを担当したBob Blumenthal(ボブ・ブルーメンソール)氏は、次のようなエピソードを載せている。「ライオンが61年4月26日にゴードンへ書いた手紙には、2つのセッションに関して非常に明確なアイデアを持っていたことを示し、こう書いている。複雑な音楽は必要ない。ミディアムなテンポ、ブルース、ゆっくりしたバラード。多くのテクニックを披露するより、ソウルフルな配信にしたい。全国のソウルスポットに配置されたジュークボックスで楽しめるものを作りたい。オリジナルを含め、できるだけ多くの資料を持参して欲しい」。麻薬からようやく抜け出すことができたゴードンは、涙流して喜んだと思う。細かい分析は抜きにして、ゴードンの歓喜を味わうアルバムなのだ。
1. I Was Doing All Right
2. You've Changed
3. For Regulars Only
4. Society Red
5. It's You Or No One
6. I Want More
7. For Regulars Only [alternate take]
Dexter Gordon - tenor saxophone
Freddie Hubbard - trumpet
Horace Parlan - piano
George Tucker - bass
Al Harewood - drums
Recorded on May 6, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.