Denny Zeitlin / As Long As There's Music

スイングジャーナル選定「ゴールド・ディスク」。異論はない。デニー・ザイトリンのアルバムは、本作を含めて4枚のみ所有。ピアノトリオが3枚、ベースとのデュオが1枚。ザイトリンの詳しいディスコグラフィーが見つからないので、何とも言えないが、管楽器やギターなどを加えたコンボでは自分を表現できないという考えなのだろう。精神科医でもあるザイトリンの自己分析結果だと思う。

ザイトリンの英文Wikipediaには、ビル・エバンスからオーネット・コールマンまでを吸収していると書かれている。確かに、このアルバムを聴くと頷ける。バスター・ウィリアムスとアル・フォスターのサポートも見事。

ちなみに、ジャケットはスイスの写真家Werner Bischof(ワーナー・ビショフ、1916年 - 54年)によるもの。ネットで探したところ、1951年に撮影した明治神宮とあった。このアルバムとは全く関係がない。こういう写真の使い方はヴィーナス・レコードの特徴。演奏内容に異論はないが、創り手のイメージを押しつけるこの国内レーベルのやり方には、大いに異論があるのだ。

1. As Long As There's Music
2. They Can't Take That Away From Me
3. For Heaven's Sake
4. There And Back
5. I'm All Smiles
6. Cousin Mary
7. Triste
8. Canyon
9. I Fall In Love Too Easily
10. The Man I Love

Denny Zeitlin - piano
Buster Williams - bass
Al Foster - drums

Recorded on December 5, 1997 at Clinton Studio "A", NYC.

Denny Zeitlin / Time Remembers One Time Once

デニー・ザイトリンとチャーリー・ヘイデンのデュオアルバム。1970年代から80年代へかけて、数多くのライブ録音が行われたサンフランシスコのキーストン・コーナーでのライブ。CDはトータルで53分40秒。非常に緊張した時間が流れる。精神科医でもあるザイトリン、民族問題に取り組んできたヘイデン。そういうバックグラウンドが、なおさら緊張感を助長させる。会場からの拍手も、何となく重みがある。

レーベルはECM。それなのに、録音日が特定されていない。1981年7月の何日なのかが分からない。別に何日でもいいのだが、一晩だけの演奏なのか、連夜の演奏からピックアップした構成なのかを知りたい。ECMは良質なジャズのアルバムを世に送り続けているが、意外なところであっさりと手を抜く。キース・ジャレットのアルバムジャケットも凡作が多いし、タイムリーにリリースしないこともある。本アルバムも、録音から1年以上経ってリリース。

1. Chairman Mao
2. Bird Food
3. As Long As There's Music
4. Time Remembers One Time Once
5. Love For Sale
6. Ellen David
7. Satellite / How High the Moon
8. The Dolphin

Denny Zeitlin - piano
Charlie Haden - bass

Recorded in July 1981 at Keystone Korner in San Francisco, California.

Denny Zeitlin / Live At The Trident

かつて、パシフィコ横浜での展示会へ行った帰りによく通っていたのが、野毛のジャズ喫茶『ちぐさ』。5年前の2016年6月10日。画像センシング展を見てから『ちぐさ』に行った。その時にリクエストしたのがこのアルバム。『ちぐさ』は全てLPなので、丁寧にA面かB面かを尋ねてくれる。オーネット・コールマン作のLonely WomanがA面最後にあり、迷わずA面をリクエスト。予想通りに緊張感ある演奏で、B面も聴きたくなってCDを購入した。

CD帯から。「エバンス派ピアニストの代表格、デニー・ザイトリン弱冠26歳当時のライブを捉えた幻の名盤。よき友チャーリー・ヘイデンと共に、若きニュー・スターの輝きに満ちた傑作!」。傑作なのは認めるが、ベースの録音バランスが悪いのが残念。それ以上にパシフィコへ行く機会がほとんど無くなったのが残念。いや、それよりも『ちぐさ』は禁煙になってしまったのがもっと残念。お茶(コーヒー)を飲むだけなので、「ちぐちゃ」なのだ。

1. Introduction - St. Thomas
2. Carole's Waltz
3. Spur Of The Moment
4. Where Does It Lead
5. Lonely Woman
6. My Shining Hour
7. Quiet Now
8. At Sixes And Sevens
9. What Is This Thing Called Love?

Denny Zeitlin - piano
Charlie Haden - bass
Jerry Granelli - drums

Recorded on March 22, 23 & 24, 1965 at The Trident, Sausalito, California.