Chico Freeman / No Time Left

原盤はイタリアのレーベルBlack Saintからリリース。国内盤LPは、ディスクユニオンのレーベルDIWから80年代半ばに発売された。ライナーノーツは悠雅彦氏で1983年3月1日付けとなっている。最近、低価格の輸入盤(フランス製)中古CDを見つけて手に入れた。

自分の中では、チコ・フリーマンは、もっとエネルギッシュは印象があった。しかし、改めてこのアルバムを聴き直すと、曲の構成を優先している感じだ。4人のプレイヤーが互いにぶつかり合ってはいるものの、パンチが浅い。「起承転結」の「転び」が「転がり落ちて」いない。用意したスコアが出来過ぎだったのかも知れない。

1. No Time Left
2. Uhmla
3. Circle

Chico Freeman - soprano saxophone, tenor saxophone, bass clarinet
Jay Hoggard - vibraphone
Rick Rozie - bass
Famoudou Don Moye - drums

Recorded on June 8 & 9, 1979 at Fontana Studios, Milano.

Chico Freeman / Spirit Sensitive

セシル・マクビーのベースが、アルバム全体の屋台骨を背負っている。バラード一色でまとめられているが、決してゆるんだ感じがしない。ベースを軸として、ドラム、ピアノ、そしてチコ・フリーマンのサックスが緊張感溢れるまとまりを見せている。気になるのは録音データ。3ヶ月間かけての録音で、セッション回数は不明。岩浪洋三氏が国内盤LPでライナーノーツを担当。岩浪氏も録音データについては一切触れていないので、残念ながらセッションの風景イメージが湧いてこない。

1977年9月に録音されたフリーマンのアルバムKings Of Maliも、詳細なデータは不明。フリーマンは、データなどには無頓着な性格なのかも知れない。ちなみに、本作はCD化されているものの、LPを含めて廃盤状態。中古CDが14,880円で取引されていた。とてもじゃない。心が傷つき、Spirit Sensitiveになってしまうのだ。

1. Autumn In New York
2. Peace
3. A Child Is Born
4. It Never Entered My Mind
5. Close To You Alone
6. Don't Get Around Much Anymore

Chico Freeman - tenor saxophone, soprano saxophone
Cecil McBee - bass
John Hicks - piano
Billy Hart - drums (tracks 1-5)
Famoudou Don Moye - drums (track 6)

Recorded in October 1978 - January 1979.

Chico Freeman / Kings Of Mali

マイナーレーベルIndia Navigationから1978年4月にリリースされたチコ・フリーマンのアルバム。当時、スイングジャーナルに本作のレビューが掲載され、フリーマンに興味を持った。新宿のディスクユニオンで輸入盤LP(国内盤はなかった)を探し当てたと思うのだが、もう40年以上も前のことなので不確か。

ジャズが本来持っている自由さとアフリカ民族的な要素をミックス。決してフリーマンのみが前面に出ている訳でなく、参加メンバーの個性が融合している。80年代に入る前、実験的ながら内に秘めたパワーをアルバムにした傑作だと思う。マイナーレーベルの音源ということで、CD化されていないのが残念。

1. Look Up
2. Minstrel's Sun Dance
3. Kings Of Mali
4. Illas

Chico Freeman - tenor saxophone, soprano saxophone, flute, alto flute, bailophone
Jay Hoggard - vibraphone, bailophone
Anthony Davis - piano
Cecil McBee - bass
Famoudou Don Moye - drums, percussion, bailophone, gongs, whistles

Recorded in September 1977 at India Navigation Records IN 1035.