スイングジャーナル 1966年3月号

MJQは1966年3月に2度目の来日。それに合わせて、特別座談会「MJQの魅力を語る」という記事、そしてジョン・ルイスの表紙。背景は〈豊川稲荷〉の提灯なのだが、表紙の解説は本書にはない。1961年がMJQの初来日なので、その時に撮影したのだろう。少し調べたら、東京・赤坂に〈豊川稲荷東京別院〉があった。蝶ネクタイのルイス。公演直後の撮影だったのか。それとも、マスコミ対応は常に正装するのがルイスの主義なのか。

スイングジャーナル 1966年2月号

ヘレン・メリルの来日公演(1966年1月末から2月中旬)に合わせた表紙。本号では、モンクのパイロット姿のイラストで知られるアルバム『ソロ・モンク』が新譜として取り上げられ、植草甚一が満点を付けてレビュー。その欄に書き切れなかったジャケットに関する情報を別記事で紹介している。以下はその内容。

「ジャケットを描いたのは、アメリカの有名なイラストレーターであるポール・デーヴィスであるが、『モノクル』という雑誌に似たような挿絵があった。それをもとにモンクのジャケットが出来たのだが、アイデアとして秀逸である。挿絵入りの『墜落する翼』というユーモア・コントは、大学を卒業した20才のトビー・モンタギューがベトナム北爆のパイロットになり、敵機を見事に撃墜したあとで意気揚揚と空軍基地に引き返してくる。ところが味方は47機も撃墜されていて、敵側の損害はトビーが撃墜した一機だけだったというオチがついていて、アメリカのベトナム作戦を皮肉っている」。植草氏らしい情報提供だ。

スイングジャーナル 1964年3月号

表紙はシェリー・マンと白木秀雄。1963年、1か月半に亘ってアメリカのジャズシーンを見て回った白木秀雄が、ハリウッドのシェリーズ・マン・ホールを訪れた時の写真、と表紙解説にある。さらに、白木に関しての説明。「1933年1月東京生まれ。東京芸術大学打楽器科に在学中に積んだドラミングの基礎的訓練と長いバンド経験により、つちかわれた安定したテクニックを見せている」。森山威男の大学の先輩なのを初めて知った。

特集記事は「来日する4大ドラマー」。フィリー・ジョー・ジョンーズ、マックス・ローチ、ロイ・ヘインズ、シェリー・マン。それぞれが個別に来日するのではなく、「4大ドラマー世紀の競演」というコンサートが各地で開催される予定だったのだ。