スイングジャーナル 2010年7月号

ついにという感じだが、このブログでスイングジャーナルのことを書く日が来た。別に何かがあった訳ではない。単に書きたくなっただけである。

2010年7月号で廃刊。編集後記を読むと、「63年の歴史を刻んで…休刊」との意味で書かれているが、自分を含めて多くの読者は「廃刊」と受け止めたに違いない。1970年代後半の学生時代から毎月購入してきた。それ以前のジャーナルが欲しくなり、神田に行って古本を買い漁ったこともよく覚えている。

残念ながら、ジャーナルを置く場所が我が家にはなくなり、70年代以降は譲ってしまった。首都圏のジャズ研ホームページに書込みをして、結果、東京理科大のジャズ研に約40年分を受け渡した。次の世代が頑張っていることを願う。

雑誌や月刊誌の置かれている状況は、年々厳しくなってきた。情報はネットから容易く入手できるし、ジャズミュージシャンの動向は、彼らのホームページから知ることができる。しかし、しかしなのだが「紙の文化」が無くなった訳ではない。液晶画面では、その肌触りを感じることはできない。ジャーナル最後の表紙はコルトレーン。右手から突き出した人差し指は何を語ろうとしていたのか?

少なくとも、このブログは今のところ休刊する予定は無し。だけど、63年はかなりきついなぁ。

スイングジャーナル 2010年6月号

LPラックを改造して、CDラックにしてきた。しかし、CDが溢れ出て、ラックの中で眠っていたスイングジャーナルを少しずつ処分することにした。10数年前には、80年代と90年代のジャーナルを東京理科大のジャズ研にウッドベースと共にプレゼントした。モノが増えても、家は広くならないので、やむを得ない処置。

2010年6月号には、「スイングジャーナル・オフィシャルBLOGへの招待」という記事。ジャーナルもITの波に乗らなければならなかった。

BLOGを立ち上げたのに、最終ページでは休刊のお知らせ。すでに、噂は流れていたので、「あ~ぁ、やっぱりか」と、一人でつぶやいたのが忘れられない。

で、当然ながらBLOGは閉鎖されているはずと確認したら、残骸が残っていた。中身はなく、ジャズジャパンへのリンクが張られていた。

ところが、ジャズジャパンのBLOGは、月に2、3本の記事のみ。ジャズ界の現状を追認した形になってしまった。

スイングジャーナル 2010年5月号

「第60回日本ジャズメン読者人気投票結果発表」の記事。上原ひろみが独占である。彼女のアルバムは1枚だけ所有している。確かにバイタルなのだが、残らない。どうしようもない気怠さとか、底抜けに明るさとか、許しがたいほどの不安定なビート、のような感覚が一つもない。

ジャズを聴くものが求めているものは、ある種の不安定性。均衡が保たれると、むしろ不安定になる。そんな上原が独占した人気投票結果。ジャズがつまらない道を辿っていた証しである。