Bill Evans / Sunday At The Village Vanguard

スコット・ラファロは、本作の録音から11日後の1961年7月6日、自動車事故により25歳の若さで急逝。本作のリリースは、ラファロ死後の同年10月の始め。だが、ジャケットにはFeaturing Scott LaFaroと記載されている。一般的にfeaturingは「客演」、もしくは「招待者の楽曲」。収録されているラファロの作品Gloria's StepとJade Visionsを示しているのだろうが、Tribute ToかMemory Ofとすべきだった。

Amazonレビューで、市川正二氏は「エバンス・トリオの演奏は、三位一体という言葉で表現されることが多い。それは3者の協調関係が二等辺三角形ではなく、正三角形をなしていたからだ」と書いている。しかしながら、ジャケットにはエバンスだけの写真、そしてFeaturingという言葉からは、ビジネス的には正三角形とは言えず直角三角形のイメージ。写真のエバンスも角張った感じだ。

1. Gloria's Step [take 2]
2. My Man's Gone Now
3. Solar
4. Alice In Wonderland [take 2]
5. All Of You [take 2]
6. Jade Visions [take 2]
7. Gloria's Step [take 3]
8. Alice In Wonderland [take 1]
9. All Of You [take 3]
10. Jade Visions [take 1]

Bill Evans - piano
Scott LaFaro - bass
Paul Motian - drums

Recorded on June 25, 1961 at The Village Vanguard, NYC.

Bill Evans / Explorations

名盤と称されるアルバム。だが、名盤と言われているので、名盤だと思い込んでしまっているような気がする。インタープレイであるかどうかは別として、ピアノトリオの司令塔は間違いなくベースでなければならない。ここでのスコット・ラファロは、その役目を果たしていない。ポール・モチアンのドラムも前のめりではなく、もたついている。リズム、いや鼓動といったほうがいいだろう。その鼓動を軸に聴いたら、こんなにも心を揺さぶられないピアノトリオも珍しい。

よく考えてみると、Explorations(探求)とは大胆なタイトルである。プロデューサーのオリン・キープニュース自身が、探求したかったピアノトリオの一つの形態。

1. Israel
2. Haunted Heart
3. Beautiful Love [take 2]
4. Elsa
5. Nardis
6. How Deep Is The Ocean?
7. I Wish I Knew
8. Sweet And Lovely
9. Beautiful Love [take 1]
10. The Boy Next Door

Bill Evans - piano
Scott LaFaro - bass
Paul Motian - drums

Recorded on February 2, 1961 at Bell Sound Systems, NYC.

Bill Evans / Portrait In Jazz

自分の中のジャズピアニストとしては、エバンスは中途半端な存在。モンクには強烈な個性があり、マッコイからはエネルギーがもらえる。山下洋輔はニヤリとできて、キースは驚きの連続である。パウエルからはカウンターパンチをもらうことがあり、テイラーには考え込むことも…。

そういう意味では、エバンスからは大きな刺激を受けない。それは決して悪い意味ではなく、精神的に高揚せず安定していくのだ。だからと言って、緊張感がない訳でもない。心地よい緊張と安らぎとでも言おうか。現在所有するエバンスのアルバムは29枚。本作はピアノ、ベース、ドラムが対話を進める演奏。聴くたびに新たな発見がある。Portrait In Jazzをどう日本語に訳せばよいのか。「ジャズの描写」では伝わらない。ジャズを生活の中に感じて欲しいという想いがあるような気がする。ならば、邦題は「日々ジャズ」で決まり!

1. Come Rain Or Come Shine
2. Autumn Leaves [take 1]
3. Autumn Leaves [take 2]
4. Witchcraft
5. When I Fall In Love
6. Peri's Scope
7. What Is This Thing Called Love?
8. Spring Is Here
9. Some Day My Prince Will Come
10. Blue in Green [take 3]
11. Blue in Green [take 2]

Bill Evans - piano
Scott LaFaro - bass
Paul Motian - drums

Recorded on December 28, 1959 at Reeves Sound Studios, NYC.