Bill Evans / The Solo Sessions Vol.2

1963年1月10日のスタジオでのソロ演奏を、どのようにして2枚のアルバムに分けたのだろうか。What Kind Of Fool Am I?の2つのテイクが、それぞれに収められているので、演奏した順に分けたはずはない。あくまでもイメージであるが、Vol.1は成り行き、Vol.2は事前の構想があったように感じてしまう。

2曲目の「サンタが街にやってくる」を成り行きで弾いたとは思えない。1964年8月録音のモニカ・ゼタールンドのアルバムWaltz For Debbyでは、この曲が収録され、しかもエバンスは歌っているのだ。

1. All The Things You Are
2. Santa Claus Is Coming To Town
3. I Loves You Porgy
4. What Kind Of Fool Am I? [take 2]
5. Love Is Here To Stay
6. Ornithology
7. Medley: Autumn In New York / How About You?

Bill Evans - piano

Recorded on January 10, 1963 at Sound Makers Studio, NYC.

Bill Evans / The Solo Sessions Vol.1

1963年1月10日、スタジオでのピアノソロに臨んだビル・エバンス。メドレーを含んで全13曲が2枚のアルバムに分かれてリリースされた。録音の前に、どれだけ構想を練っていたのだろうか。エバンスにとっては何度となく演奏してきた曲が並んでいる。言葉は悪いが、いわゆる「手癖」で演奏したような気がしてならない。

一曲一曲の質は高いが、アルバム全体を見ると単に結果を並べた感じ。そもそも、ソロでのスタジオ録音は、やり直しが何度でも許される。アルバムのリリースは、エバンスの死後9年経った1989年。少なくとも、エバンス自身が納得のいく演奏ではなかったことを物語っている。

1. What Kind Of Fool Am I? [take 1]
2. Medley: My Favorite Things / Easy To Love / Baubles, Bangles & Beads
3. When I Fall In Love
4. Medley: Spartacus Love Theme / Nardis
5. Everything Happens To Me
6. April In Paris

Bill Evans - piano

Recorded on January 10, 1963 at Sound Makers Studio, NYC.

Bill Evans / Loose Blues

録音は1962年8月だが、リリースは82年。64年にリバーサイド・レーベルが倒産し、テープがお蔵入りしてしまったのだ。プロデューサーだったオリン・キープニュースが、マイルストーン・レーベルからの発売にようやく漕ぎつけた。そういう理由があって、ビル・エバンスの中では超マイナー的なアルバム。

メンバーにズート・シムズが入っていることに注目。他はジム・ホール、ロン・カーター、フィリー・ジョー・ジョーンズ。エバンスのピアノを聴くというより、この一期一会的な構成でのコンボに耳を傾けたい。全曲がエバンスの作品。アルバムタイトルはLoose Bluesなのに、1曲目と、その別テイクの2曲目はLoose Blooseという曲名。そんなややこしいこともあって、なおさらマイナーにしてしまっている。

1. Loose Bloose
2. Loose Bloose [alternate take]
3. Time Remembered
4. Funkallero
5. My Bells
6. There Came You
7. Fudgesickle Built For Four
8. Fun Ride

Zoot Sims - tenor saxophone
Jim Hall - guitar
Bill Evans - piano
Ron Carter - bass
Philly Joe Jones - drums

Tracks 1 - 4 & 7
Recorded on August 21, 1962 at Nola's Penthouse Sound Studios, NYC.

Tracks 5, 6 & 8
Recorded on August 22, 1962 at Nola's Penthouse Sound Studios, NYC.