Bill Evans / The Paris Concert Edition Two

1979年11月26日のパリでのライブアルバムは、Edition OneとEdition Twoに分けられてリリース。この2枚を続けて聴くと、全体的に非常に平坦で、単に音が流れ過ぎて行き緊張感がない。

唯一の山場と言えば、17分を超えるラスト曲のNardisぐらいだ。エバンスが何度も演奏してきたマイルスの作品で、いまやスタンダード、そして名曲と言える。そんな曲にドラムソロが入り、大はしゃぎして曲想を台無しにしているのだ。このライブから約1年後の80年9月15日にエバンスは他界。最後までピアノトリオにこだわったエバンス。だが、トリオでの遺した名演は決して多くない。

1. Re: Person I Knew
2. Gary's Theme
3. Letter To Evan
4. 34 Skidoo
5. Laurie
6. Nardis

Bill Evans - piano
Marc Johnson - bass (except track 3)
Joe LaBarbera - drums (except track 3)

Recorded on November 26, 1979 at L'Espace Cardin, Paris.

Bill Evans / The Paris Concert Edition One

ベースのマーク・ジョンソン、ドラムのジョー・ラバーバラによるビル・エバンスの最後のトリオ。1979年11月のパリでのこのライブ演奏から約1年後、80年9月15日にエバンスは他界した。しかし、死の直前までライブ演奏を行っていたので、本作から死のイメージは一切なく、むしろ力強ささえ感じる。エバンスは観客の前で演奏できることが喜びだったのだろう。

問題はベースとドラムで、自分たちの力量をみせようとして張り切り過ぎ。特に8曲目のBeautiful Loveにおけるドラムソロは、うるさくて仕方ない。そんなことはエバンスも分かっていたようで、6曲目と7曲目はドラム抜きである。本作がライブの曲順どおりに収録されているならば、ドラマーはじっと待たされていたことになる。だからこそ、8曲目でうっぷんを晴らしたかったのだろうか。いずれにしても、トリオでのインタープレイを味わうアルバムではない。むしろ、観客から割れんばかりの拍手が起きるのが、妙に不自然。ちなみに、本作はエバンスの死後、83年にリリース。

1. I Do It For Your Love
2. Quiet Now
3. Noelle's Theme
4. My Romance
5. I Loves You Porgy
6. Up With The Lark
7. All Mine (Minha)
8. Beautiful Love
9. Excerpts Of A Conversation Between Bill And Harry Evans

Bill Evans - piano
Marc Johnson - bass (except track 3)
Joe LaBarbera - drums (except track 3,6,7)

Recorded on November 26, 1979 at L'Espace Cardin, Paris.

Bill Evans / New Conversations

邦題は『未知との対話 ‐ 独自・対話・そして鼎談』。そもそも「鼎談」を「ていだん」と読めるジャズファン、もしくはエバンスファンは何人いるのだろうか。仮に読めたとしても、「三人での会話」という意味を知っている人は、その何パーセントなのか。ましてや、このアルバムが何故に「三人」なのかはもうppmの世界だろう。この血迷った邦題を付けたレコード会社の担当者は、売ることよりも自己満足に重点を置いたとしか思えない。

血迷ったのはエバンスも同じ。聴き手に何かを伝えることより、多重録音で、しかもフェンダー・ローズを持ち込んでの単なるお遊びである。ところで、ジャケットをそれっぽく仕上げているが、正面と横顔の二人のエバンスは会話をしていない。NewではなくNo Conversationといった感じだ。エバンスが1980年9月に他界する2年半前の録音。死をわずかに予感し遺書的なものを創り上げたかったのだろうか。ところで、オルガンまでも持ち込めば、四つの鍵盤での会話となり、邦題には「さらには会談」と付け加えたに違いない。

1. Song For Helen
2. Nobody Else But Me
3. Maxine
4. For Nenette
5. I Love My Wife
6. Remembering The Rain
7. After You
8. Reflections In D

Bill Evans - piano, keyboards

Recorded in January 26 - February 16, 1978.