Barney Wilen / More From Barney At The Club Saint-Germain

本作は1959年4月録音のライブアルバムBarneyの未発表テイク集。ライナーノーツによるとリリースは97年で、バルネ・ウィランが96年5月25日に他界したため、追悼盤の意味合いがあったと書かれている。しかしながら、40年近くもテープを倉庫に眠らした理由はどこにあったのだろうか。

演奏そのものは、アルバムBarneyに決して劣らない内容である。ましてや、ウィランとしては、十分に納得できるライブ演奏をタイムリーに世に出せず不本意だったに違いない。ライナーノーツを担当した原田和典氏は、そんな重要なポイントには触れず、字数稼ぎだけをしているのだ。

1. The Best Things In Life Are Free
2. All The Things You Are
3. Reets And I
4. 'Round Midnight
5. With A Song In My Heart
6. Time On My Hands
7. There'll Never Be Another You
8. As Time Goes By

Barney Wilen - tenor saxophone, soprano saxophone
Kenny Dorham - trumpet
Duke Jordan - piano
Paul Rovere - bass
Daniel Humair - drums

Recorded on April 24 & 25, 1959 at The Club Saint-Germain, Paris.

Barney Wilen / Barney

CD帯から。『フランスの重鎮サックス奏者、バルネ・ウィランが若き日にパリのクラブ「サンジェルマン」で吹込んだ生涯の代表作。ケニー・ドーハム、デューク・ジョーダン等、アメリカの大物ミュージシャンをバックに迎え、ハードバップ~ファンキー・ジャズ色の濃いプレイを繰り広げる。「ジョードゥ」、「ベサメ・ムーチョ」等、名曲がずらりと並んでいるのも嬉しい』。ジョーダン「等」と書いているが、アメリカからのミュージシャンはドーハムとジョーダンのみ。さらに、ピアノのジョーダンはよしとしても、トランペットのドーハムを「バックに迎え」という表現は不適切。

ところで、ラストに配置されたウィランの作品Témoin Dans La Ville(彼奴を殺せ)の出だしは、マイルスが演奏するWalkin'にそっくりだ。ジョーダンのピアノで始まるので、スコアをウィランから渡されたジョーダンは「おい、冗談だろ?」と言ったとか。

1. Besame Mucho
2. Stablemates
3. Jordu
4. Lady Bird
5. Lotus Blossom
6. Everything Happens To Me
7. I'll Remember April
8. Témoin Dans La Ville

Barney Wilen - tenor saxophone, soprano saxophone
Kenny Dorham - trumpet
Duke Jordan - piano
Paul Rovere - bass
Daniel Humair - drums

Recorded on April 24 & 25, 1959 at The Club Saint-Germain, Paris.

Barney Wilen / Tilt

CDの帯から。『マイルス・デイビス、アート・ブレイキー、ジョン・ルイスらを虜にした天才サックス奏者、バルネ・ウィランが20歳のときに残した公式初リーダーアルバム。「ブルーン・ブギ」、「チュニジアの夜」などモダンジャズの定番に加え、セロニアス・モンクの名曲を多数とりあげているのも特徴だ』。

「虜」とは大げさな表現。確かに彼らから声が掛かってセッションに参加したアルバムは何枚かある。所有しているのはジョン・ルイスのAfternoon In Paris、マイルスのAscenseur Pour L'ÉchafaudとAmsterdam Concertの3枚で、1956年から57年のパリとアムステルダムでの録音。「虜」になってしまったのなら、本国アメリカへ連れて帰り共演させただろう。バルネは1937年3月4日生まれなので、正確には19歳10ヶ月での録音。モンクの曲は決して簡単ではないが、果敢に挑戦した。ジャケットの写真も含めて、これから上を目指していくんだという勢いを感じる。だが残念なことに、彼らとの共演はその後実現しなかった。60年代に入ると、バルネはロック畑へ移ったらしい。

1. Blue N' Boogie
2. Nature Boy
3. My Melancholy Baby
4. A Night In Tunisia
5. The Way You Look To Night
6. Hackensack
7. Blue Monk
8. Mysterioso
9. Think Of One
10. Blue N' Boogie [alternate take]
11. Nature Boy [alternate take]
12. Hackensack [alternate take]
13. Blue Monk [alternate take]
14. We See
15. Let's Call This

Tracks 1 - 5, 10 & 11
Barney Wilen - tenor saxophone
Maurice Vander - piano
Bibi Rovere - bass
Al Levitt - drums
Recorded on January 7, 1957 in Paris.

Tracks 6 - 9, 12 - 15
Barney Wilen - tenor saxophone
Jacky Cnudde - piano
Bibi Rovere - bass
Charles Saudrais - drums
Recorded on January 11, 1957 in Paris.