秋吉敏子 / The TOSHIKO Trio

正確な録音データが残っていないが、1956年の録音であることは間違いない。自分は56年12月生まれなので、そのほんの少し前のことだったのだろう。以下は、本作の商品説明を若干改変。付け加えるとすれば、ラスト曲Softly, As In A Morning Sunriseのアレンジが斬新。65年前に凄いジャズをやっていた証拠だ。

「秋吉敏子の名を世界に広めた歴史的名盤、そして日本人として初めて〈ジャズの殿堂〉入りを果たした秋吉敏子の音楽生活の原点となる代表作。バド・パウエルを彷彿とさせる完成度の高い作品で、彼女のオリジナル6曲、そして〈蘇州の夜〉のソロピアノも収録されている。メンバーは、当時まだ無名だったベーシストのポール・チェンバース、ドラムにエド・シグペンというジャズ界のホープたちを牽引していく若き日の秋吉敏子の才能に世界中が驚いた。2006年にはジャズ界最高の名誉“アメリカン・ジャズ・マスター賞”を受賞」。端的によくまとめた文章だ。

1. Between Me And Myself
2. It Could Happen To You
3. 郷愁 (Nostalgia)
4.Homework
5. Manhattan Address
6. Sunday Afternoon
7. Blues For Toshiko
8. 蘇州の夜
9. Softly, As In A Morning Sunrise

秋吉敏子 / Toshiko Akiyoshi - piano
Paul Chambers - bass (except track 8)
Edmund Thigpen - drums (except track 8)

Recorded in 1956.

安富祖貴子 / Sweet Soul Days

安富祖貴子の4作目のアルバム。2009年リリース。彼女のアルバムは、リアルタイムで聴いてきた。しかし、2011年の『THE BLUES』、2012年の『マイ・ブルース』以降は、ぷつりとリリースが途切れてしまった。非常に残念である。本作に関しては、藤本史昭氏がライナーノーツで的確なレビューをしている(2009年10月10日付け)。

「僕はこの音楽を何度も繰り返しきくうちに、これは彼女の大きな成長の証だという気がしてきた。一聴すると、魅力の源泉だった率直なエネルギー感が後退しているように感じられるけど、しかし耳をすませば、抑制された歌唱の内には、微妙で繊細な感情が張り詰めた緊張感の中で渦巻いているのがたしかに伝わってくる」。タイトル通り、魂のアルバムと言っていいだろう。

1. opening: Save The Best For Last
2. Forget / Regret
3. Fields Of Gold
4. Killing Me Softly With His Song
5. Purple Rain
6. I Can See Clearly Now
7. Street Life
8. This Masquerade
9. Love Natural
10. closing: Black Coffee
11. You Are Not Alone (Dedicated to Michael Jackson)

安富祖貴子 - vocal
太田剣 - soprano saxophone, alto saxophone, tenor saxophone, flute
菱山正太 - piano, keyboards, synth bass
石成正人 - steel guitar
渥美幸裕 - gut guitar
坂井 "Lambsy" 秀彰 - percussion
よしうらけんじ - percussion, drums

発売 2009年11月18日

安富祖貴子 / Hallelujah -Summer Of '86-

このアルバムを聴くと、ジャズというジャンルは、他の音楽ジャンルをいくらでも吸収できるのではないかと思ってしまう。Stand By Meしかり、Proud Maryしかり。それは安富祖貴子だからこそ、できる「技」なのかも知れない。ところで、CCR - Creedence Clearwater Revivalを知っている人はどのくらいいるだろうか?なお、ジャケット内には歌詞だけでなく訳詞も掲載されていて、非常に丁寧な作りのアルバムになっている。以下はCDジャーナルでのレビュー。

「沖縄出身、元ディアマンテスのシンガーがニューヨークで録音した3作目。井上陽介が編曲したR&B感覚濃厚な音に乗せて力強くディープな歌を聴かせる。快活な〈スタンド・バイ・ミー〉やファンキーな〈ザ・サイドワインダー〉に張りのある声が合い、抑えた表現から情感あふれる〈ザ・マン・アイ・ラヴ〉もいい。多くの曲で敦賀明子のオルガンが活躍」。

1. Summertime
2. Harlem Nocturne
3. The Man I Love
4. Hallelujah I Love Him So
5. What A Difference A Day Made
6. Stand By Me
7. No Woman, No Cry
8. The Sidewinder
9. Proud Mary
10. If You Love Me
11. You Don't Know What Love Is
12. Cry Me A River
13. Danny Boy

安富祖貴子 - vocals
Grady Tate - drums
Andrew Beals - drums
Bill Easley - tenor saxophone
John Di Martino - piano
Eric Johnson - guitar
Chembo Corniel - percussion
井上陽介 - bass, arrange
敦賀明子 - organ

Recorded on March 1 - 4, 2008 in NYC.