AIR / 80° Below '82 / Chicago Breakdown

所有するAIRのアルバムとしては、1975年9月録音のAIR Song、80年12月のAIR MAILに続く、82年1月の80° Below '82。MAILの次のタイトルはAIR Newsかなと思っていたのだが…。ちなみに、SongとMAILの間には、AIR Raid, AIT Time, AIR Suit, AIR Loreなどがあり、AIRの後は4文字。原題80° Below '82では文字表記の関係で流通に手間取ると考えたのだろう、国内盤はChicago Breakdownと題された。

3枚の所有アルバムを続けて聴くと、AIRの成長はFred Hopkins(フレッド・ホプキンス)のベースにあったことが良く分かる。しかし、本作で事実上AIRは解散。NewsではなくAIR Peakだったのだ。

1. Chicago Breakdown
2. The Traveller
3. 80° Below '82
4. Do Tell

Henry Threadgill - tenor saxophone, alto saxophone, flute, bass flute, hubkaphone
Fred Hopkins - bass
Steve McCall - drums, bells

Recorded on January 23 & 24, 1982 at Right Track Studio, NYC.

AIR / AIR MAIL

Henry Threadgill(ヘンリー・スレッギル)、Fred Hopkins(フレッド・ホプキンス)、Steve McCall(スティーヴ・マッコール)の3人による、管楽器、ベース、ドラムのトリオ。この編成でまず思い付くのは、ソニー・ロリンズのビレッジ・バンガードでの1957年のライブ録音。それから18年後の75年、ファーストアルバムAIR SongをリリースしたAIR。同じ編成で、全く違うジャズが生まれた。この20年近い流れの中で、ジャズは彷徨いながら変革してきた。

当時、AIRというグループ名は、とてつもなく新鮮に感じた。Theを付けないことで、あえて主張しないことを主張していると受け取った。さらに、その5年後の80年12月に本作を録音。AIR Songに比べ、インタープレイで大きく躍進したことがわかる。だが、82年1月にアルバムChicago Breakdownを録音して、グループの活動は中断、その後、メンバーが変わってNew AIRとしたが、86年リリースのアルバムAir Show No. 1を最後に解散した模様だ。

1. B.K.
2. R.B.
3. C.T., J.L.

Henry Threadgill - tenor saxophone, alto saxophone, flute, bass flute, hubkaphone
Fred Hopkins - bass
Steve McCall - drums, bells

Recorded on December 28, 1980 at Right Track Studio, NYC.

AIR / AIR Song

1970年代後半に立ち上がったWhynotという日本のジャズレーベル。ジャズ評論家・悠雅彦氏がプロデュースし、日本人スタッフが中心となって20枚ほどのアルバムを制作した。ただし、海外ミュージシャンが中心で、日本人はピアニストの辛島文雄ぐらいしかいない。そして、2009年5月21日付けで、ディスクユニオンからこんなニュースが流れていたことが判明した。「悠雅彦氏による伝説のレーベルWHYNOTがCANDIDより再発!」。つまり、70年代末に国内盤LPを購入し、40年ほど経って海外盤中古CDを手に入れた訳だ。ちなみに、レーベルが変わってジャケットも変更になっている。

当時は、ロフトジャズというカテゴリーがあった。ニューヨーク、若手前衛、マイナーレーベル、非営利といったところか。そういう背景は別として、彼ら3人による演奏は、非常に厚みがあり、時にはぞくぞくする静寂感がある。しかしながら、2曲目のタイトルは長い。3人でのリハーサル風景。「じゃあ、次はグレート・ボディ・オブ・ザ・リドル・オア・ホエア・ウァ・ザ・ドッジ・ボーイズ・ホエン・マイ・クレイ・スターテッド・トゥ・スライドをやろうか」「グレート・ボディ・・・スライドもいいけれど、エア・ソングにしないか」「いやいや、エア・ソングは最後にしよう。やはり、グレード・ボディ・・・スライドがいいよ」。3人の意見をまとめるのに時間がかかり過ぎる。

1. Untitled Song
2. Great Body Of The Riddle Or Where Were The Dodge Boys When My Clay Started To Slide
3. Dance Of The Beast
4. Air Song

Henry Threadgill - tenor saxophone, baritone saxophone, alto saxophone, flute
Fred Hopkins - bass
Steve McCall - drums

Recorded on September 10, 1975 at P.S. Recording Studios, Chicago.