Cannonball Adderley / Mercy, Mercy, Mercy!

サブタイトルにはLive at "The Club"とあるが、観客を入れてのスタジオ録音。Wikipediaによると、そのクラブのマネージャーとキャノンボール・アダレイが友人だったため、アダレイは無償で宣伝をしたとあった。スタジオの観客が乗りに乗っているのも、アダレイから「クラブの雰囲気を出してくれ!」と願い出たのではないだろうか。さらには、オープンバーも備えたスタジオとのことで、観客は一杯気分だったに違いない。

ある意味、仕組んだ形での録音だったようだが、純粋に楽しめるアルバムである。1967年のグラミー賞を受賞している。人生はFunでいいし、日々の暮らしはGamesなのかも知れない。それでも、Mercy, Mercy, Mercyと感謝の気持ちは大事だろう。

1. Introduction - Fun
2. Games
3. Mercy, Mercy, Mercy
4. Sticks
5. Hippodelphia
6. Sack O' Woe

Cannonball Adderley - alto saxophone
Nat Adderley - cornet
Joe Zawinul - piano, Wurlitzer electric piano
Victor Gaskin - bass
Roy McCurdy - drums

Recorded on October 20, 1966 at Capitol, Los Angeles.

Giuseppi Logan / The Giuseppi Logan Quintet

2009年9月号のスイングジャーナルに「幻のサックス奏者 ジュゼッピ・ローガン 喪失の40年」と題した記事が掲載された。この記事が書かれたのは7月下旬。その時点でアルバム制作の話があったようだ。それが実現したのが本作。前作Moreの録音は1965年5月。まさしく40年以上のブランクがあり、満を持しての発表。ローガンは、闘病生活やホームレスを乗り越えてのジャズ界復帰。そして、2020年4月17日に84歳で他界した。

どのサックス・プレイヤーとも比較ができない。尺度が違うのだ。ローガン独自の演奏スタイル。ヘロヘロ、フニャフニャ。芯を完全に外している。というか、彼には「芯」がない。彼の頭の中に鳴っている音楽は、太陽の周りを数十年、いや数百年の周期で廻っている惑星のようなもの。注目すべきは、Over The RainbowやBlue Moonのようなポップス系の曲をやっているだけでなく、マイルスの作品Freddie Freeloaderを取り上げていること。自分の根っこはジャズなんだ、とさりげなく主張している。

1. Steppin'
2. Around
3. Modes
4. Over The Rainbow
5. Bop Dues
6. Blue Moon
7. Freddie Freeloader
8. Love Me Tonight

Giuseppi Logan - saxophone, piano (tracks 6,8)
Matt Lavelle - trumpet, bass clarinet
Dave Burrell - piano
Francois Grillot - bass
Warren Smith - drums

Recorded on September 15, 2009 at The Magic Shop, New York City.

Sonny Rollins / What's New

LPに収録されていたDon't Stop The Carnivalが、CDでは割愛されている。だからと言って、その他の収録曲の長さが増えている訳ではない。その理由は、油井正一氏によるLPのライナーノーツにあった。

最初の国内販売のとき、ミュージカルの主題歌If Ever I Would Leave Youの挿入は不可で、代わりにDon't Stop The Carnivalを挿入。再発時には、主題歌の挿入が可となり6曲構成になった。しかし、輸入盤においては、そのような制約はなく、Don't Stop The Carnivalは蚊帳の外のまま。さらに、本作の原ジャケットでは、ボサノバのアルバムとして紹介されたそうだ。実際にボサノバ曲は1つもなく、国内での当時のボサノバの状況について、油井氏が以下のように書いている。もう、60年前の出来事。

ボサノバという言葉が、日本のジャーナリズムに伝えられたのは、1962年10月のことで読売新聞がタ刊娯楽面のトップにこの現象を大々的に報道、週刊新潮もこのニュースを伝えた。「この秋、突如としてボサノバというニュー・リズムがアメリカのジャズ界にひろまりだした」と。

機をみるに敏なるキングレコードは、少女歌手梓みちよに「ボサノバ娘」なるタイトルをつけ売り出しをはかったが、一体何がボサノバなのかがわからず、ボサノバ娘もスカートを両手につまんで振りまわすのをボサノバと心得ていたフシがある。「こんにちは赤ちゃん」で彼女がヒットしたのは、ボサノバ娘の看板をはずしたあとのことだ。

実際、ボサノバは何が何やらわからぬうちにジャンジャン宣伝されて、何が何やらわからぬ内に消えてしまった。そのあと、1965年秋に、アメリカに留学していた渡辺貞夫が帰国し、「ボサノバは楽しい」と積極的にとりあげてから、はじめて本格的にきかれるようになったものである。

CD
1. If Ever I Would Leave You
2. Jungoso
3. Bluesongo
4. The Night Has A Thousand Eyes
5. Brown Skin Girl

Sonny Rollins - tenor saxophone
Jim Hall - guitar (tracks 1,4,5)
Bob Cranshaw - bass
Ben Riley - drums (tracks 1,4,5)
Dennis Charles, Frank Charles, Willie Rodriguez - percussion (tracks 1,4,5)
Candido - percussion (tracks 2,3)
Recorded on April 5 (track 4), 25 (track 1), 26 (track 5) and May 14 (tracks 2,3), 1962 in NYC.

LP
1. Don't Stop The Carnival
2. If Ever I Would Leave You
3. Brown Skin Girl
4. Bluesongo
5. The Night Has A Thousand Eyes
6. Jungoso

Sonny Rollins - tenor saxophone
Jim Hall - guitar (tracks 1-3,5)
Bob Cranshaw - bass
Ben Riley - drums (tracks 1-3,5)
Dennis Charles, Frank Charles, Willie Rodriguez - percussion (tracks 1-3,5)
Candido - percussion (tracks 4,6)
Recorded on April 5 (track5), 25 (tracks 1,2) & 26 (track 3) and May 14 (tracks 4.6), 1962 in NYC.