秋吉敏子 / KOGUN

秋吉敏子=ルー・タバキン・ビッグバンドのデビュー作。タイトル曲の「KOGUN(孤軍)」は当時ルバング島で発見された小野田少尉をモチーフにしたと言われている。CDのライナーノーツにそのことが書かれているかと思ったが、LP発売時と同じ解説で空振りに終わった。そこで、ネットで調べたところ、横濱JAZZ PROMENADEディレクターの柴田浩一氏のインタビュー記事を発見。取材は2012年6月7日。

柴田氏の「一貫して日本人を意識した作品を書かれていますが…」という発言にこう答えている。「私は日本という文化を背負っていて、昔から鼓の音が好きで使いたいなと頭の中にあった。そこにルバング島の小野田少尉さんが見つかって孤軍ができたんです。酷い評価を受けるかと思っていたら、売れてしまいびっくりしたんです」。日本人→鼓→小野田氏→孤軍ということだった。

出典 http://jazzpro.jp/archives/yjp2012/interview_2012

1. Elegy
2. Memory
3. Kogun
4. American Ballad
5. Henpecked Old Man

Bobby Shew, John Madrid, Don Rader, Mike Price, Richard Cooper - trumpet
Charlie Loper, Jim Sawyer, Britt Woodman - trombone
Phil Teele - bass trombone
Dick Spencer, Gary Foster - alto saxophone
Lew Tabackin - tenor saxophone, flute
Tom Peterson - tenor saxophone
Bill Perkins - bass
Gene Cherico - bass
Peter Donald - drums
Toshiko Akiyoshi - piano, conductor
Scott Elsworth - voice

Recorded on April 3 & 4, 1974 at Sage & Sand Studio Hollywood, CA.

秋吉敏子 / The TOSHIKO Trio

正確な録音データが残っていないが、1956年の録音であることは間違いない。自分は56年12月生まれなので、そのほんの少し前のことだったのだろう。以下は、本作の商品説明を若干改変。付け加えるとすれば、ラスト曲Softly, As In A Morning Sunriseのアレンジが斬新。65年前に凄いジャズをやっていた証拠だ。

「秋吉敏子の名を世界に広めた歴史的名盤、そして日本人として初めて〈ジャズの殿堂〉入りを果たした秋吉敏子の音楽生活の原点となる代表作。バド・パウエルを彷彿とさせる完成度の高い作品で、彼女のオリジナル6曲、そして〈蘇州の夜〉のソロピアノも収録されている。メンバーは、当時まだ無名だったベーシストのポール・チェンバース、ドラムにエド・シグペンというジャズ界のホープたちを牽引していく若き日の秋吉敏子の才能に世界中が驚いた。2006年にはジャズ界最高の名誉“アメリカン・ジャズ・マスター賞”を受賞」。端的によくまとめた文章だ。

1. Between Me And Myself
2. It Could Happen To You
3. 郷愁 (Nostalgia)
4.Homework
5. Manhattan Address
6. Sunday Afternoon
7. Blues For Toshiko
8. 蘇州の夜
9. Softly, As In A Morning Sunrise

秋吉敏子 / Toshiko Akiyoshi - piano
Paul Chambers - bass (except track 8)
Edmund Thigpen - drums (except track 8)

Recorded in 1956.

安富祖貴子 / Sweet Soul Days

安富祖貴子の4作目のアルバム。2009年リリース。彼女のアルバムは、リアルタイムで聴いてきた。しかし、2011年の『THE BLUES』、2012年の『マイ・ブルース』以降は、ぷつりとリリースが途切れてしまった。非常に残念である。本作に関しては、藤本史昭氏がライナーノーツで的確なレビューをしている(2009年10月10日付け)。

「僕はこの音楽を何度も繰り返しきくうちに、これは彼女の大きな成長の証だという気がしてきた。一聴すると、魅力の源泉だった率直なエネルギー感が後退しているように感じられるけど、しかし耳をすませば、抑制された歌唱の内には、微妙で繊細な感情が張り詰めた緊張感の中で渦巻いているのがたしかに伝わってくる」。タイトル通り、魂のアルバムと言っていいだろう。

1. opening: Save The Best For Last
2. Forget / Regret
3. Fields Of Gold
4. Killing Me Softly With His Song
5. Purple Rain
6. I Can See Clearly Now
7. Street Life
8. This Masquerade
9. Love Natural
10. closing: Black Coffee
11. You Are Not Alone (Dedicated to Michael Jackson)

安富祖貴子 - vocal
太田剣 - soprano saxophone, alto saxophone, tenor saxophone, flute
菱山正太 - piano, keyboards, synth bass
石成正人 - steel guitar
渥美幸裕 - gut guitar
坂井 "Lambsy" 秀彰 - percussion
よしうらけんじ - percussion, drums

発売 2009年11月18日