Dollar Brand / Anatomy Of A South African Village

事件だ。CDは売れなくなり、ジャズのポテンシャルは下がったままの今の時代。1980年代中頃、日本フォノグラムから「フォンタナ・ニュー・ジャズ・シリーズ」がリリースされ、LPを買い漁ったことを今でも憶えている。理由は、フリー系ジャズにかなり傾倒していた頃で、しかも従来にない斬新なジャケットに吸い込まれていったからだ。ジャケットは、女性アーティストのMarte Röling(マルテ・レーリンク)によるもの。

そんなアルバムが、長い年月を超え最近復刻された。快挙と言いたい。ジャズ喫茶時代のオヤジが、コロナ禍で外で飲む機会を奪われ、「家聴き難民」となってしまった。そんな世代をターゲットにしたのだろうか。このアルバムは、ダラー・ブランドの初期代表作。ボーナストラック4曲を追加し、オリジナルジャケットで初のCD化を果たした。やはり、事件なのである。

1. Anatomy Of A South African Village
2. Tintiyana
3. 'Round Midnight
4. Honey
5. Light Blue
6. The Dream
7. Mamma
8. Boulevard East / Sunset In Blue / Easter Joy / Boulevard East
9. Smoke Gets In Your Eyes

Dollar Bland - piano
Johnny Gertze - bass (except tracks 5,9)
Makaya Ntshoko - drums (except tracks 5,9)

Recorded on January 30, 1965 at Jazz-hus Montmartre, Copenhagen, Denmark.

Django Reinhardt / Djangology

ジャンゴは1910年1月23日に生まれ、53年5月16日に43歳で没した。このアルバムが録音されたのは1949年1月から2月。所有するジャンゴのアルバムは、この1枚のみ。盟友ステファン・グラッペリとの共演。古き良き時代のジャズを十二分に満喫できる。

Wikipediaによると、ジャンゴとステファンは、それぞれイタリアへのツアーがあって現地で再会し、この録音にローマで臨んだようだ。それが事実だとすれば、極めて歴史的なセッションなのである。

1. I Saw Stars
2. After You've Gone
3. Heavy Artillery (Artillerie Lourde)
4. Beyond The Sea (La Mer)
5. Minor Swing
6. Menilmontant
7. Brick Top
8. Swing Guitars
9. All The Things You Are
10. Daphne
11. It's Only A Paper Moon
12. Improvisation On Tchaikovsky's "Pathetique" (Andante)
13. The World Is Waiting For The Sunrise
14. Djangology
15. Ou Es-Tu, Mon Amour? (Where Are You, My Love?)
16. Marie
17. I Surrender, Dear
18. Hallelujah
19. Swing 42
20. I'll Never Be The Same
21. Honeysuckle Rose
22. Lover Man (Oh, Where Can You Be?)
23. I Got Rhythm

Django Reinhardt - guitar
Stephane Grappelli - violin
Gianni Safred - piano
Carlo Pecori - bass
Aurelio de Carolis - drums

Recorded in January - February 1949 in Rome.

Dizzy Reece / Soundin' Off

後藤雅洋著『一生モノのジャズ名盤500』で、「〈前略〉ジャマイカ出身のブラックピープルとは言え、イギリスで活動していたディジー・リースの演奏には通好みの渋い味わいがある。トランペットサウンドも変にピカピカしない落ち着きがある。〈後略〉」と紹介されている。この「ピカピカしない」という表現がいかにも後藤氏らしい。自分の中では絶対に出てこない言い回し。

ワンホーンながらも、自分だけがというところはなく、メンバーそれぞれの力を引き出そうとしている感じ。ジャケットの写真も一歩退いている。タイトルSoundin' Offに関して、岡崎正道氏がライナーノーツの中で「大きな音で吹きまくる」と解説している。何となく演奏内容とイメージが合わないので、調べてみると、「あからさまに言う」、「まくしたてる」という意味があるようだ。リースがピカピカしないトランペット1本でメンバーを鼓舞しているという感じではないだろうか。

1. A Ghost Of A Chance
2. Once In A While
3. Eb Pob
4. Yesterdays
5. Our Love Is Here To Stay
6. Blue Streak

Dizzy Reece - trumpet
Walter Bishop Jr. - piano
Doug Watkins - bass
Art Taylor - drums

Recorded on May 12, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.