Marion Brown / Three For Shepp

印象的であり挑発的なジャケット。カメラマンは、マリオン・ブラウンとアーチー・シェップにどんな要求を出したのだろう。背景やテーブルに置かれたサックスと楽譜からすると、録音現場で安易に撮った写真でないことは確か。しかも、シェップはこのアルバムに参加していない。何らかのコンセプトがあって創られたアルバム。

前半3曲がブラウン、後半3曲がシェップの作品。それに合わせて、ピアニストとドラマーを入れ替えている。プロデューサーBob Thiele(ボブ・シール)の狙いは何だったのか。フリージャズの範疇になるアルバムだが、決して雑さを感じさせない。フリーではないということで、カテゴリー分けの矛盾を示しているアルバムとも言える。

1. New Blue
2. Fortunato
3. The Shadow Knows
4. Spooks
5. West India
6. Delicado

Marion Brown - alto saxophone
Grachan Moncur III - trombone
Dave Burrell - piano (tracks 1-3)
Stanley Cowell - piano (tracks 4-6)
Norris Jones - bass
Bobby Capp - drums (tracks 1-3)
Beaver Harris - drums (tracks 4-6)

Recorded on December 1, 1966 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Marcus Roberts / The Truth Is Spoken Here

マーカス・ロバーツを聴き込んでみたいと思い、最近購入したロバーツの初リーダーアルバム。フロント3管で、ロバーツのピアノが陰に隠れてしまうのではと危惧したが、曲毎にフロントを使い分け、さらに2曲はピアノソロという構成で、ピアノを十分に楽しめる。エルビン・ジョーンズのドラムもメリハリをきちんとつけている。25歳直前のロバーツを周りのプレイヤーがしっかりサポートしたようだ。ただし、アルバム全体としては、すこし柔らか過ぎる感じ。スピード感溢れる曲が欲しかった。

1. The Arrival
2. Blue Monk
3. Maurella
4. Single Petal Of A Rose
5. Country By Choice
6. The Truth Is Spoken Here
7. In A Mellow Tone
8. Nothin' But The Blues

Marcus Roberts - piano
Wynton Marsalis - trumpet (tracks 1,6,8)
Charles Rouse - tenor saxophone (tracks 5,7,8)
Todd Williams - tenor saxophone (tracks 3,6)
Reginald Veal - bass (except tracks 2,4)
Elvin Jones - drums (except tracks 2,4)

Recorded on July 26 & 27, 1988 at RCA Studios (Studio A), New York.

Archie Shepp / Steam

後藤雅洋氏の『一生モノのジャズ名盤500』では、こう紹介されている。「ベース、ドラムスだけのシンプルなトリオ編成で、アーチー・シェップがテナー奏者としての実力を見せつけた名演。とりわけ19分に及ぶA Message From Traneの吹きまくりは圧巻。〈中略〉アイデアの赴くままひたすらに前進するさまは感動的」。この紹介だけで十分であるが、さらに付け加えたいのは演奏曲のこと。

6曲中、シェップ自身の作品はSteamのみ。A Message From Traneはトランペッターであり作曲家、そしてシェップのアルバムAttica Bluesに参加したCal Massey(カル・マッセイ)の作品。残り4曲中には、エリントン、パーカー、モンクの曲があることに注目。どれもスタンダード。シェップの豪快な料理の仕方に舌鼓。なお、本作が録音されたジャズ・フェスティバルに関して、ドイツ語版Wikipediaを発見。「1966年から2年ごとにニュルンベルグで開催。冷戦時代、このフェスティバルは当初、西と東のジャズミュージシャンの出会いの場として機能していた。1990年代に、フェスティバルは重要性を失い視聴者数が減少。最後の開催は2002年」。ドイツ統一により、失われた文化があったことを知った。

1. A Message From Trane
2. Solitude
3. Invitation
4. Ah-Leu-Cha
5. Steam
6. 52nd Street Theme

Archie Shepp - tenor saxophone, piano
Cameron Brown - bass
Beaver Harris - drums

Recorded on May 14, 1976 at The East-West Jazz Festival, Nurnberg, West Germany.