Modern Jazz Quartet / No Sun In Venice

邦題『たそがれのヴェニス』。CD帯から。「ターナーの絵画を使った美しいジャケット・カバーも印象的なこの作品は、ロジェ・ヴァディム監督による57年の映画〈大運河〉のためにジョン・ルイスが書いたスコアをMJQが演奏したもの。映画のシーンに見事にマッチしているだけでなく、優雅なMJQの個性が最高に発揮されて、純粋なジャズ作品としてもこの上なく魅力的なアルバムになっている。翌年のダウンビート誌でも、”ベスト・ジャズ作品”に選ばれた名盤中の名盤」。

絵画も映画も詳しくないので、映画のシーンにマッチしているかの判断は自分にはできない。それにしても、音のバランスが最悪である。シンバルがシャリシャリしていて、ピアノが引っ込み過ぎ。CD化に際して、不自然な細工をしたのではないだろうか。ネット上で、そういう意見は探せなかったので、完全限定版・定価1,000円に限定された現象かもしれない。

1. The Golden Striker
2. One Never Knows
3. The Rose
4. Cortege
5. Venice
6. Three Windows

Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Connie Kay - drums

Tracks 1 - 3, 5 & 6
Recorded on August 24, 1957 at Music Inn, Lenox, Massachusetts.

Track 4
Recorded on April 4, 1957 in NYC.

Modern Jazz Quartet / Fontessa

CD帯から抜粋。「優雅な響きをもつ組曲風の〈フォンテッサ〉。16世紀頃のイタリアで上演された即興演劇にインスパイアされた作風には、MJQのリーダー、ジョン・ルイスの美学がもっともよく表れているように思う。他のスタンダード曲も、MJQならではの均整のとれた美しさが感じられるものばかり」。大村幸則氏がライナーノーツを担当しているので、帯の解説も彼によるものだろう。

では、ジャズにおける「美学」や「美しさ」とは…。ここでは、ある意味で「構成力」のことを示しているのだろう。メンバーの誰一人として、派手なアドリブや長いソロを取ることがない。裏を返せば、ハプニングが一切起きない。繰り返し聴いても新たな発見はほとんどない。「美しさ=飽きてくる」なのだ。

1. Versailles
2. Angel Eyes
3. Fontessa
4. Over The Rainbow
5. Bluesology
6. Willow Weep For Me
7. Woody'n You

Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - double bass
Connie Kay - drums

Recorded on January 22 and February 14, 1956.

Modern Jazz Quartet / Concorde

見事に完成されたアルバム。つまり、アルバムのコンセプトをジョン・ルイスが作れば、ミルト・ジャクソンはそれを完璧に応じるということだ。ミルトは自分の演奏に酔い、ジョンは編曲とグループサウンドに酔いしれている。そして、本作からドラムはケニー・クラークに代わってコニー・ケイになった。

2008年2月付けのライナーノーツでアイラ・ギトラーが興味深いエピソードを紹介している(訳:小川隆夫氏)。コニーの発言。「ジョン・ルイスがすべてのアレンジをてがけていた。わたしの分も含めて、全員のパートを書いていたんだ。彼がトライアングル、チャイム、あるいはフィンガー・シンバルなどの音が必要と思えば、そのことを譜面に書き込んでくる」。アイラは「ケニーがMJQを去った理由はそこにあった。ジョンが彼のためにドラムスのパートまで書いてくることに我慢できなかったのだ」と指摘している。MJQは室内楽とよく言われるが、正確には譜面楽ということ。それを楽しむかは聴き手の判断。

1. Ralph's New Blues
2. All Of You
3. I'll Remember April
4. Gershwin Medley:
- Soon
- For You, For Mw, Forevermore
- Love Walked In
- Our Love Is Here To Stay
5. Softly, As In A Morning Sunrise
6. Concorde

Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Connie Kay - drums

Tracks 1, 2, 4, 5 & 6
Recorded on July 2, 1955 at at Nola's Penthouse Studio, NYC.
Track 3
Recorded in late July or early August at at Nola's Penthouse Studio, NYC.