Woody Shaw / The Iron Men

ウッディ・ショウがエリック・ドルフィーに敬意を表して創ったアルバム。曲毎にメンバーが入れ替わり、さらには楽器も持ち換えている。4と6曲目はドラムレスで組曲の形式だ。入念に構想を練って創り上げたことがわかる。プロデュースしたMichael Cuscuna(マイケル・カスクーナ)がLP裏面に長文の解説を書いている。あまりにも長いので読む気が起きなかったが、ようやく手に入れた国内盤CDには翻訳が載っていたので、目を通した。以下は最後のセンテンス。

「ウディはこのアルバムを彼のクリエイティブな表現形式に寄与してきたと確信できる革新的なアーティストに捧げています。それはエリック・ドルフィー、アンドリュー・ヒル、ジャッキー・マクリーン、マッコイ・タイナー、ボビー・ハッチャーソン、そしてその他の頑張り屋さんの皆さんです」。訳者は不明で、「その他の頑張り屋さん」の部分の原文はall the other iron men(iron menの箇所だけ太字)。単純に「鉄人」の意味でいいだろう。

1. Iron Man
2. Jitterbug Waltz
3. Symmetry
4. Diversion One
5. Song Of Songs
6. Diversion Two

Woody Shaw - trumpet (tracks 1,3,5), cornet (track 2), fluegelhorn (tracks 4,6)
Anthony Braxton - clarinet (track 2), alto saxophone (track 3), soprano saxophone (track 5)
Arthur Blythe - alto saxophone (tracks 1,5)
Muhal Richard Abrams - piano
Cecil McBee - bass
Joe Chambers - drums (tracks 1,3)
Victor Lewis - drums (tracks 2,5)

Recorded on April 6 & 13,1977 at Blue Rock Studio, NYC.

Billy Harper / The Believer

ビリー・ハーパーは、1973年に初リーダーアルバムCapra Blackをリリース。20枚目を2013年に出して、その後は途絶えている。その40年間は、ちょうど2年に1枚のペース。このことから、じっくりと構想を温めてアルバム創りをするタイプであることが分かる。風貌からも寡黙のジャズマンという感じ。

このアルバムは、タイトル通りBelieveという単語が入っている3曲で構成。これらは組曲と捉えたい。所有するLPのライナーノーツには、それぞれに邦題が記載されている。Is It Not True, Simply Because You Cannot Believe It?(疑惑のきざし)、I Do Believe(めざめの時)、Believe, For It Is True!(真実のふれあい)。まぁ悪くはないが、クエスチョンマークとビックリマークが活かされていない。ちなみに、プロデューサー、エンジニア、デザイナーなどには日本人の氏名がクレジットされている。邦題が先で、それを英語にしたのかも知れない。

さて、リーダーアルバムは途切れているが、ハーパーが中心となって、The Cookersというグループを2010年に立ち上げ現在も活動中。2021年9月にアルバムLook Out!をリリースした。1943年1月17日生まれのハーパーは、今も現役である。なお、本作はCD化されているが、中古市場にはほとんど出回っていない。

1. Is It Not True, Simply Because You Cannot Believe It?
2. I Do Believe
3. Believe, For It Is True!

Billy Harper - tenor saxophone
Everett Hollins - trumpet
Armen Donelian - piano
Greg Maker - bass
Malcolm Pinson - drums

Recorded on February 15, 1980 at Power Station Studios, NYC.

Woody Guthrie / A Legendary Performer

CD帯から。「アメリカン・フォーク史上の神話的存在、ウディ・ガスリーの貴重なアルバム。ブルース・スプリングティーンも取り上げて話題になったジョン・スタインベックの名作〈怒りの葡萄〉に描かれた、オクラホマの砂嵐に題材を求めた名唱」。ボブ・ディラン、ライ・クーダー、そして高田渡、加川良。彼らの原点の一つがウディ・ガスリー。このアルバムの全曲がウディの作品。

ディランは自叙伝の中で、「ニューヨークに来たのは、レコードで聞いていたシンガーを見るためだった。なかでもいちばん会いたいのはウディ・ガスリーだった」と書いている。ライ・クーダーは、本作にあるVigilante ManとDo Re Miを自身の多くのアルバムに収録している。そして、高田渡はDust Bowl Bluesを基にして「現代的だわね」、Do Re Miは「ゼニがなけりゃ」という作品にした。加川良はアルバム「親愛なるQに捧ぐ」の中の「下宿屋」で、「新しいお湯がシュンシュンなった時、ラーメンをつくってくれて、そしてウッディやジャックを聞かしてくれたんです」と綴っている。このウッディとは、ウディ・ガスリーのことで、聞かしてくれたのは高田渡なのである。

1. The Great Dust Storm (Dust Storm Disaster)
2. I Ain't Got No Home
3. Talking Dust Bowl Blues
4. Vigilante Man
5. Dust Can't Kill Me
6. Dust Pneumonia Blues
7. Pretty Boy Floyd
8. Blowin' Down This Road (I Ain't Going To Be Treated This Way)
9. Tom Joad-Part I
10. Tom Joad-Part II
11. Dust Bowl Refugee
12. Do Re Mi
13. Dust Bowl Blues
14. Dusty Old Dust (So Long It's Been Good To Know Yuh)

Recorded on April 26, 1940.
Released in 1977.