Zoot Sims / Waiting Game

何となく購入してしまったアルバム。ズート・シムズが、ストリングス・オーケストラをバックにテナーサックスを吹いている、というアンバランスな感じを聴きたかった。ところが、実にバランスよく決まっているのだ。変わることで評価されるのがジャズミュージシャン。それに対し、変わらないことで評価される一人がズートと思っていた。だけど、ズートも少しは冒険した訳だ。

オーケストラには楽譜が用意されていて、自由度はほとんどないだろう。その不自由さの中で、いかに自分を表現するかは極めて難しい。自分が吹いた一音に誰も反応してくれないのだ。自分が投げたフォークボールにも、キャッチャーミットは位置を変えない。キャッチャーはゲームの進行を待っているだけ ― Waiting Game。

1. Old Folks
2. I Wish I Knew
3. Once We Loved
4. It's A Blue World
5. September Song
6. Over The Rainbow
7. Stella By Starlight
8. One I Could Have Loved
9. You Go To My Head
10. Does The Sun Really Shine On The Moon?

Tracks 1 - 5 & 8 - 10
Zoot Sims - tenor saxophone, vocals
Gary McFarland - arranger
Jack Parnell - conductor
Unknown Orchestra
Recorded on November 28, 1966 in London.

Tracks 6 & 7
Zoot Sims - tenor saxophone, vocals
Gary McFarland - arranger
Kenny Napper - conductor
Unknown Orchestra
Recorded on November 30, 1966 in London.

Zoot Sims / Down Home

ジャズ評論家アイラ・ギトラーは、ライナーノーツの冒頭でこう書いている(訳:川嶋文丸氏)。『別にわたしがこのアルバムのタイトルをつけたわけではないが、たとえわたしがつけたとしても、これ以上いいタイトルは思いつかなかっただろう。ズート自身、またはズートの音楽の「土着への回帰」という要素を言い表わすにはいろいろな言葉があるが、「ダウン・ホーム」(素朴で気取りがない)という言葉は、たしかに言い得て妙だ』。

まったくその通りで、さらに言えばバックのピアノトリオも、まさしく「ダウン・ホーム」なのである。つまり、ズートの気分がメンバー全員に伝わって、スイングジャズの真骨頂を表現したアルバム。少しだけ欲を言えば、そんなセッションの雰囲気をジャケットで表現して欲しかった。それから、別テイクの6曲は、ボーナス的な要素はほとんどなく、素朴にボツとなった演奏である。

1. Jive At Five
2. Doggin' Around
3. Avalon
4. I Cried For You
5. Bill Bailey
6. Goodnight Sweetheart
7. There'll Be Some Changes Made
8. I've Heard That Blues Before
9. There'll Be Some Changes Made [alternate take]
10. Jive At Five [alternate take]
11. Doggin' Around [alternate take]
12. Avalon [alternate take]
13. Goodnight Sweetheart [alternate take]
14. Bill Bailey [alternate take]

Zoot Sims - tenor saxophone
Dave McKenna - piano
George Tucker - bass
Dannie Richmond - drums

Recorded on June 7, 1960 in NYC.

Zoot Sims / Either Way

かつては幻の名盤と言われたアルバム。決して高価ではないLPを数十年前に購入し、個人的な隠れ名盤として愛聴してきた。最近、安価な中古CDを見つけて新たなライブラリーに。とにかく、ご機嫌なアルバムで、ジャズが持っている純粋な暖かみを表現。ボーカルがすんなり溶け込んでいるし、4曲目の〈枯葉〉が悔しいほどに「ジャズ」である。

〈枯葉〉というと、マイルスの、というかキャンボール・アダレイのアルバムSomethin' Elseをすぐに思い浮かべる。でも、「Somethin' Else - 何か他のもの」と問われたら「Either Way - どちらにしても」ズートとアルの〈枯葉〉と答えたい。

1. P-Town
2. I Like It Like That
3. Sweet Lorraine
4. Autumn leaves
5. The Thing
6. I'm Tellin' Ya
7. Nagasaki
8. Morning Fun

Zoot Sims - tenor saxophone
Al Cohn - tenor saxophone
Mose Allison - piano
Bill Crow - bass
Gus Johnson - drums
Cecil "Kid Haffey" Collier - vocals

Recorded in February 1961 in Philadelphia, PA.