John Coltrane / Stardust

1958年7月11日のセッションがアルバムStandard Coltrane、Bahia、Stardustに、そして、12月26日のセッションがアルバムBahia、Stardust、The Believerに分散されてリリース。従って、これらはコンセプトがあって作られたアルバムでないことは確か。国内盤LPのライナーノーツを担当した岩波洋三氏は、以下のように書き始めている。

「ジョン・コルトレーンが急死して今年(77年)で十年になる。しかし、彼への関心は少しも衰えず、コルトレーンの肉体は滅びたがその音楽は生きつづけている。〈中略〉現在の若手サックス・プレイヤーたちもこぞってコルトレーンを研究しているが、分析したからコルトレーンが理解できるものでもないし、コルトレーンのようなプレイヤーになれるわけでもない。コルトレーンの音楽はコルトレーンという人問が生み出したものであり、コルトレーンという人間を越えなければコルトレーン以上の音楽は生み出しえないのだ。そのへんのことを誤解してコルトレーンの音楽を分析すれば立派な音楽がやれると思っているからDavid Liebman(デイブ・リーブマン)などはつねに二流にとどまっているのだ」。当時、リーブマンは31歳、岩波氏は44歳。紙面を埋め合わせるために、リーブマンは標的になってしまった。岩波氏は2012年10月5日に他界。享年79。リーブマンは74歳で健在。近年まではジャズの教育に力を注いでいたようだ。

1. Stardust
2. Time After Time
3. Love Thy Neighbor
4. Then I'll Be Tired Of You

John Coltrane - tenor saxophone
Wilbur Harden - flugelhorn (track 1), trumpet (track 3)
Freddie Hubbard - trumpet (track 4)
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Jimmy Cobb - drums (tracks 1,3)
Arthur Taylor - drums (tracks 2,4)

Tracks 1 & 3
Recorded on July 11, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 2 & 4
Recorded on December 26, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

John Coltrane / Bahia

コルトレーンは、このアルバムでソプラノサックスを吹いていない。というか、この楽器をまだモノにしていない。それなのに、ジャケット写真に使ってしまった。いい加減である。それがプレスティッジの良さ?とも言えるのかも知れない。

録音のデータやジャケットでアルバムの価値を決めるものではない。良い曲を集めてLPに仕立て上げ、売れれば勝ちという世界。Bahiaは「バイーア」と発音する。「まぁいーや」と聴こえるのだが…。しかし、演奏の中身はトレーンがそろそろ爆発する兆しを感じる。

1. Bahia
2. Goldsboro Express
3. My Ideal
4. I'm A Dreamer, Aren't We All
5. Something I Dreamed Last Night

John Coltrane - tenor saxophone
Wilbur Harden - flugelhorn, trumpet (tracks 3, 4)
Freddie Hubbard - trumpet (track 5)
Red Garland - piano (tracks 1,3-5)
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums (track 1,2,5)
Jimmy Cobb - drums (tracks 3,4)

Tracks 1, 2 & 5
Recorded on December 26, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 3 & 4
Recorded on July 11, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

John Coltrane / Coltrane Time

一期一会。コルトレーンとセシル・テイラーの共演による録音は、このアルバムのみ。当初は、テイラー名義のアルバムHard Driving Jazzというタイトルで発売された。それが、タイトルを変えてコルトレーン名義になってしまった。そもそも、この二人を合わせたのは誰の仕業だったのか。

コルトレーンとテイラーという名前を聞けば、コテコテのフリージャズを思い浮かべる。しかし、1958年時点では、それぞれの個性は出ているものの、まだまだ不自由な演奏。つまり、自分を解放できる状態までは至っていない。だが、歴史的に見れば価値は非常に高い。なぜに続きの録音はなかったのか。答えは簡単。それぞれ自己を追い求めたから。ジャケットに写るコルトレーンの表情。「テイラーって男は凄い。アイツとセッションを繰り返してみたいけど、吸い取られる感じだな」。当時、コルトレーンは32歳。テイラーは25歳。二人の間に火花が散ったと想像したい。

1. Shifting Down
2. Just Friends
3. Like Someone In Love
4. Double Clutching

John Coltrane - tenor saxophone
Kenny Dorham - trumpet
Cecil Taylor - piano
Chuck Israels - bass
Louis Hayes - drums

Recorded on October 13, 1958 in NYC.