Ry Cooder / Election Special

アルバムを「旬」があるかないかで分けるとするならば、本作は「旬がある最右翼」に位置する。なにしろタイトルがElection Special(選挙特番)なのだ。2012年11月のアメリカ大統領選挙の3カ月前にリリース。選挙は、民主党候補Barack Obama(バラク・オバマ)と共和党候補Mutt Romney(ミット・ロムニー)の戦い。1曲目Mutt Romney Bluesから幕を開ける。つまり、共和党をこき下ろすアルバム。

ワーナーミュージックのアルバム紹介から。「孤高のギタリスト、ライ・クーダー。前作〈プル・アップ・サム・ダスト・アンド・シット・ダウン〉から1年…早くもニュー・アルバム完成!アメリカ大統領選に物申す!ライ・クーダーが現代アメリカの政治と大統領選を鋭く斬る。レイドバックしたギター・サウンドにのせて歌うのは、彼が現代アメリカの政治・社会に一言申したい事、そして伝えたい事。アルバムの殆どは、ライ・クーダー(ボーカル、ギター、マンドリン、ベース)と息子のホアキム・クーダー(ドラムス) によるもの」。リリースから10年を経た今、明らかに賞味期限は過ぎてしまったアルバムと言わざるを得ない。

1. Mutt Romney Blues
2. Brother Is Gone
3. The Wall Street Part Of Town
4. Guantanamo
5. Cold Cold Feelings
6. Going To Tampa
7. Kool-Aid
8. The 90 And The 9
9. Take Your Hands Off It

Ry Cooder - bass, guitar, mandolin, vocals
Joachim Cooder - drums
Arnold McCuller - harmony vocals

Recorded in 2011 - 12 at Drive-By Studios, North Hollywood and Wireland Studios, Chatsworth, LA.
Released on August 16, 2012.

Chico Freeman / Tangents

何の事前情報も得ずに購入したアルバム。1980年代に入って、チコ・フリーマンはどんなジャズをやっていたのかを知りたかった。最初に聴いた時、ボーカルが随所に現れてびっくりした。クレジットを見ると、ボビー・マクファーリンの名が。「驚異のボイス」と呼ばれた男。以下はCD帯から。

「〈輪廻学〉からいっそう編成を拡大して、カラフルなサウンドを生み出していったチコ・フリーマン。サックスにスティヴ・コールマンやジョン・パーセルといった強力メンバーを加えるとともに、ボーカルのボビー・マクファーリンが声によるユニークな即興を聴かせてゆく。バスクラが不思議な効果を生み出してゆくタイトル曲をはじめ、チコの実力がよく示されているモニュメンタルな1枚になっている」。輪廻学とは、アルバムTradition In Transitionの邦題。それはよしとして、マクファーリンのボイスが耳障りで仕方ない。自分としては、ボイス無しのアルバムTangents(接線)に触れてみたい。

1. Tangents
2. Sir Tashi And The Yetti
3. Ballad For Hakima
4. Fifty Tenth Street
5. Computerized Indifference
6. Sangoma And Nelly
7. You Are The One
8. Spook And Fade

Chico Freeman - woodwind, percussion
Steve Coleman - alto saxophone, soprano saxophone
John Purcell - woodwind
Jay Hoggard - vibraphone
Mark Thompson - piano
Kenny Werner - piano, synthesizer
Cecil McBee - bass
John Koenig - bass
Billy Hart - drums
James Bradley, Jr. - drums
Frederick Waits - drums, percussion
Bobby McFerrin - vocals

Recorded in 1984.

Hampton Hawes / The Green Leaves Of Summer

ハンプトン・ホーズは1958年から5年間、麻薬中毒で収監。復帰後の第一作。クリーンなイメージを出そうとしたことが、ジャケットに表れている。ホーズのアルバムは、本作を含めて4枚所有。55年から56年に録音されたThe Trio Vol.2のジャケットに写るホーズとは別人のようだ。ホーズは1928年11月生まれ。つまり、30代前半を棒に振ったことになる。ホーズとしては、5年振りにセッションができること、そして録音に臨むことの喜びを感じたに違いない。だが、当時のジャズ界は大きなうねりの中にあった。

マイルスはアルバムKind Of Blueを59年にリリース。60年にはコルトレーンのGiant Steps、61年にはコールマンのFree Jazzが続けてリリースされた。そういう流れの中で、64年2月に録音された本作。ここでの演奏には新鮮さを感じる一方、時代に取り残されたとも言えるのだ。ましてや、ロリンズ作のSt. Thomasを取り上げたことが、安易な感じがしてマイナス評価になってしまった気がする。

1. Vierd Blues
2. The Green Leaves Of Summer
3. Ill Wind
4. St. Thomas
5. Secret Love
6. Blue Skies
7. The More I See You
8. G.K. Blues

Hampton Hawes - piano
Monk Montgomery - bass
Steve Ellington - drums

Recorded on February 17, 1964 at Contemporary Records' Studio, Los Angeles.

The Trio Vol.2