このアルバムは、コルトレーンのマウスピース不調で生まれたことはよく知られている。『コルトレーンの世界』(白水社)での「コルトレーンと語る」という章で、フランク・コフスキー(どういう人物かは不明)との会話でコルトレーンはこう語っている。
「あの頃ちょっとしたトラブルがあった。僕はばかげたことをしていた。マウスピースが満足できず、すこしばかりいじってみたら、よくするどころか、壊してしまったのだ。かなりがっくりしたね。〈中略〉僕が到達しようとしていたあの速く吹きまくることが、マウスピースを台なしにしてしまったためやれなくなったからだ。だから、僕は省略して演奏せねばならなくなった〈後略〉」。つまり、自我を抑え、一音一音に集中したコルトレーンを捉えたアルバムなのである。
1. Say It
2. You Don't Know What Love Is
3. Too Young To Go Steady
4. All Or Nothing At All
5. I Wish I Knew
6. What's New
7. It's Easy To Remember
8. Nancy
John Coltrane - tenor saxophone, soprano saxophone
McCoy Tyner - piano
Jimmy Garrison - bass (tracks 1-6,8)
Reggie Workman - bass (track 7)
Elvin Jones - drums
Track 7
Recorded on December 21, 1961 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.
Tracks 6 & 8
Recorded on September 18, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.
Tracks 1 - 5
Recorded on November 13, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.
フランク・コフスキーはジャズ評論家です。雑誌『ジャズ&ボップ』で健筆をふるっていました。
浜野様
貴重な情報をありがとうございます。