CD帯から。「81年の来日時にレコーディングされた珠玉のトリオアルバム。ハービー、ロン&トニーによる究極のアコースティック・ジャズ決定盤」。この短い文章に間違いが2ヵ所ある。「究極」と「決定」。安易に使ってはイケナイ漢字。
三人の最高プレイヤーによる演奏であることは間違いなし。だけど、最高のプレイヤーが三人集まれば、究極のプレイになるとは限らない。ましてや、それが決定的なはずがない。考えてみれば分かる。このアルバムの録音のためだけに、この三人が来日する訳がない。スケジュールは組まれていたのだろうが、一日で録音は終えている。つまり、やれることをやっただけ。「うまい」けど「(印象に)残らない」。最高のプレイで、最低のジャズ。しかも、トニー・ウィリアムス作のラスト曲La Maison Goreeは、唐突に終わる。尻切れトンボのアルバムでもある。
1. Stable Mates
2. Dolphin Dance
3. A Slight Smile
4. That Old Black Magic
5. La Maison Goree
Herbie Hancock - piano
Ron Carter - bass
Tony Williams - drums
Recorded on 27 July 1981 at CBS Sony Shinanomachi Studio, Tokyo.