富樫雅彦 / The Face Of Percussion

2016年8月、青春18きっぷで新潟、秋田と周り、17日に盛岡に入った。とは言っても、台風の影響で電車は大幅に遅延。横手から北上まではJRが用意したタクシーに乗り込んで、秋田から盛岡まで9時間16分。盛岡の目的はジャズ喫茶『開運橋のジョニー』再訪。翌18日は、宮古、久慈、八戸と巡って盛岡に戻り、ジョニーを連夜の訪問。

マスターの照井さんが「久保さん、このアルバム知ってる?」と出してくれたのがThe Face Of Percussion。「ええ、持ってますよ」「さすが!なら、これあげるよ」と。1988年4月16日、陸前高田市民会館大ホールでの富樫カルテットを撮影したシルクスクリーン。富樫のサイン入り。

富樫のパーカッションによる多重録音でのソロアルバム。1980年11月14日付けの悠雅彦氏によるライナーノーツから以下を抜粋。「彼(富樫)は言っている。オスティナートがあると、もう1人の打楽器奏者がいる感じで、これに対応して重ねていくことができるし、歌いたいというもののルーツになってくれる。つまり、発展させることができるわけだ。だからオスティナートが単調であればあるほどイメージが発展するし、より多彩なフリー・ミュージックが生みだせるということになるんだよ」。

オスティナートとは反復リズムのこと。富樫の発言は非常によく分かる。反復リズムによって、気持ちが高まり感覚が研ぎ澄まされていくのは確かである。だが、それを富樫一人で演じることにしたのは何故だろう。多重録音の是非を論じるつもりはないが、多彩なフリー・ミュージックを生みだすことが目的であったならば、信頼できる打楽器奏者と共に一発勝負を挑んで欲しかった。そんなリクエストをしたいぐらいの素晴らしいアルバムなのである。

1. Something Coming
2. Pray
3. Let's Sing, Let's Dance
4. Ballad For Loneliness
5. Heratstrings
6. Whispering Stars
7. Something Leaving

富樫雅彦 - percussion

Recorded on August 12 - 14 & 18 - 20, 1980 at King Records Studio No.2, Tokyo.

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