エリック・ドルフィーは、1964年6月29日にベルリンで帰らぬ人となった。このアルバムは、それから約1ヶ月後にパリで録音された。プロデューサーはAlan Bates(アラン・ベイツ)なる人物。ジャケット裏のライナーノーツも書いている。ドルフィーの死の直後にアルバムを企画し、メンバーを集め、スタジオを確保したことになる。だが、演奏内容は雑なところが一切なく完成度が高い。ということは、別の企画がすでに進行中だったが、ドルフィーの死によって急きょ切り替えたのだろうか。そして、テッド・カーソンはTears For Dolphyを作曲。謎である。
1980年代中頃、日本フォノグラムから「フォンタナ・ニュー・ジャズ・シリーズ」がリリース。その一部が、長い年月を超え紙ジャケットとして最近復刻された。しかも、本作と同日録音のアルバムFlip Topに収録されていた3曲がボーナストラックとして追加。なお、女性アーティストMarte Röling(マルテ・レーリンク)は、このシリーズで16枚ほどのジャケットを担当。しかし、それ以外のアルバムは見つからなかった。あまりにも個性的で声が掛からなかったのか、彼女自身が断ったのか。これも謎である。
1. Kassim
2. East Sixth Street
3. 7/4 Funny Time
4. Tears For Dolphy
5. Quicksand
6. Reava's Waltz
7. Searchin' For The Blues
8. Desolation
9. Light Blue
Ted Curson - trumpet, pocket trumpet
Bill Barron - tenor saxophone, clarinet
Herb Bushler - bass
Dick Berk - drums
Recorded on August 1, 1964 at Studio Acousti, Paris, France.