Wayne Shorter / Second Genesis

Wikipediaで調べれば簡単に分かるのだが、1960年10月の録音から13年半経った74年5月にリリースされたアルバム。だが、封印された13年間の理由は書かれていない。今更、その理由を探り当てても無意味だろう。リリースから46年以上経ってしまったのだから。それよりも、純粋にこのアルバムを味わいたい。

くっきりと抜ける感じのショーターのテナー。コルトレーンやロリンズほど色濃くなく、かといって甘ったるい訳ではない。陰影とエッジが利いたテナーサックス。聴き込むほどチクリと刺さってくる。バックのメンバーも、そのイメージを見事に出し切っている。

1. Ruby And The Pearl
2. Pay As You Go
3. Second Genesis
4. Mr. Chairman
5. Tenderfoot
6. The Albatross
7. Getting To Know You
8. I Didn't Know What Time It Was

Wayne Shorter - tenor saxophone
Cedar Walton - piano
Bob Cranshaw - double-bass
Art Blakey - drums

Recorded on October 11, 1960 at Universal Recorders, Chicago.

Warne Marsh / Warne Marsh

物事には名前が必要。だが、このアルバムには明確なタイトルがない。なので、「ウォーン・マーシュの白いTシャツ・アルバム」などと自分の中では記憶するしかない。1957年12月と58年1月のセッションによるアルバム。どちらのセッションもポール・チェンバースのウォーキングベースが支えているので、Warne Marsh with Paul Chambersのようなタイトルで良かったはずだ。アトランティック・レーベルの手抜き。

そんなアルバムを手に入れたのは、後藤雅洋著『一生モノのジャズ名盤500』で紹介されていたから。後藤雅洋氏はこう述べている。「特徴は類例のないひしゃげたような不思議な音色。フレージングもかなりユニークで、わかりやすい予定調和を意識的に避けるところはいかにもレニー・トリスターノ派」。後藤誠氏のライナーノーツによると、マーシュは1987年12月18日、出演中のジャズクラブで演奏中に突然倒れ、そのまま帰らぬ人になったという。享年60。

1. Too Close For Comfort
2. Yardbird Suite
3. It's Allright With Me
4. My Melancholy Baby
5. Just Squeeze Me
6. Excerpt

Tracks 1 & 3
Warne Marsh - tenor saxophone
Ronnie Ball - piano
Paul Chambers - bass
Philly Joe Jones - drums
Recorded on December 12, 1957 in NYC.

Tracks 2, 4, 5 & 6
Warne Marsh - tenor saxophone
Paul Chambers - bass
Paul Motian - drums
Recorded on January 16, 1958 in NYC.

Walter Davis Jr. / Davis Cup

ウォルター・デイビスの初リーダーアルバム。その後、サイドマンとして活躍していたが、次のリーダーアルバムは20年後の1979年。本作は決して名盤とは言えないものの、十分に楽しめる内容となっている。しかも、全曲がウォルターの作品。なのに、リーダーの声が掛からなかったのは不思議。

タイトルであるDavis Cupという曲は収録されていない。本作のちょうど3か月前の1959年5月2日、ジャッキー・マクリーンのアルバムNew Soilに参加したウォルターが、この曲を持ち込んで録音した。ウォルターにとって、お気に入りの曲名だったのだろう。自分名義のアルバムを作ることができたので、タイトルに採用したかったのだ。しかしながら、ブルーノートとしては、最低のジャケットである。撮影はFrancis Wolff(フランシス・ウルフ)。

1. 'Smake It
2. Loodle-Lot
3. Sweetness
4. Rhumba Nhumba
5. Minor Mind
6. Millie's Delight

Jackie McLean - alto saxophone
Donald Byrd - trumpet
Walter Davis Jr. - piano
Sam Jones - bass
Art Taylor - drums

Recorded on August 2, 1959 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs.