Teddy Charles / The Teddy Charles Tentet

所有するTeddy Charles(テディ・チャールズ)名義のアルバムは、この1枚。とは言っても、ミンガス、マイルス、ブッカー・アーヴィンのアルバムの中で、彼のヴァイブは聴いてきた。どちらかと言うと、粘り気は少なく乾いたヴァイブ。マイルスのトランペットとは相性が合う。本作の録音は1957年1月。その約半年前、マイルスのピアノレスによるカルテットのアルバムBlue Moodsにチャールズは参加している。

そして、本作と同様にNature Boyを録音し、両方でテーマを演奏。つまり、マイルスとのセッションからヒントを得て、スコアを練り上げたに違いない。それは、この曲だけでなく、録音に3日間を費やしていること、タイトル通り10人編成のセッションであることから、全体的にはアレンジ重視のアルバム。問題は、そのタイトル。レーベルATLANTICにしては、手の込んだジャケット。しかしながら、タイトルを安易にTentetとしてしまった。1曲目のVibrationsをタイトルにすれば、ジャケットと見事にマッチしたと思うのだが。

1. Vibrations
2. The Quiet Time
3. The Emperor
4. Nature Boy
5. Green Blues
6. You Go To My Head
7. Lydian M-1

J.R. Monterose - tenor saxophone
Gigi Gryce - alto saxophone
Sol Schlinger - baritone saxophone (tracks 1,3,7)
George Barrow - baritone saxophone (tracks 2,4-6)
Art Farmer - trumpet, credited as Peter Urban
Don Butterfield - tuba
Teddy Charles - vibraphone
Jimmy Raney - guitar
Mal Waldron - piano
Teddy Kotick - bass
Joe Harris - drums

Recorded on January 6, 11 & 17, 1956 in New York.

Ted Curson / Urge

エリック・ドルフィーは、1964年6月29日にベルリンで客死。その約1ヶ月後にテッド・カーソンはアルバムTears For Dolphyを録音。前準備は、ほとんどなったはずである。それから2年後、アルバムUrgeの録音に臨んだ。バラード曲You Don't Know What Love Isを除いてカーソンの作品。では、なぜに1曲だけバラードを入れたのか。

ドルフィーの最後のアルバムLast Dateには、このバラードが収録されている。Tears For Dolphyの録音時点で、Last Dateはまだリリースされていなかった。Urge(衝動)というタイトルは、ドルフィーへの追悼の気持ちを改めて表しているのだと思う。それをブッカー・アーヴィンとのフロント2管で取り組んだ。ライナーノーツによると、このバラードを提案したのはアーヴィンとのこと。カーソンの気持ちを察したのだろうか。ちなみに、アーヴィンは、66年9月に自身のアルバムHeavy!!!で、この曲を再演。バラードを除くと、全体的にブルース色が濃い。だが、ドラムが不必要に叩き過ぎていて、ブルージーな雰囲気を崩してしまっているのが残念。なお、本作はCD化されているが、中古が2万円以上の取引で衝動買いはできない。

1. Roy's Boys
2. You Don't Know What Love Is
3. Cinq Quartre
4. Musis Sacrum
5. The Leopard
6. Latino

Ted Curson - trumpet, pocket trumpet
Booker Ervin - tenor saxophone
Jimmy Woods - bass
Edgar Bateman - drums

Recorded on May 13, 1966 at Baarn, Netherlands.

Tommy Flanagan / Flanagan's Shenanigans

1989年に設立されたデンマークのジャズパー賞。その第4回の1993年は、トミー・フラナガンが受賞。それを祝ってのコンサート。ゆえに、和らいだ感じのライブ演奏となっている。フラナガンは、肩に力が入らず見事なパフォーマンスを繰り広げる。ご機嫌な一枚。

タイトル曲Flanagan's ShenanigansはジャズピアニストJames Williams(ジェームス・ウィリアムス)の作品。彼とフラナガンとの接点は見つからなかったが、フラナガンより20歳ほど若く、大先輩として尊敬していたのだろう。shenaniganとは「いたずら」「悪ふざけ」の意味。Flanaganとの語呂合わせ思い付いたウィリアムスの「悪ふざけ」。それをアルバムタイトルにしたのもプロデューサーの「悪ふざけ」。だが、フラナガンは受賞コンサートなので、「悪くないね」とほほ笑んだに違いない。

1. Eclypso
2. Beyond The Bluebird
3. Minor Mishap
4. For Lena And Lennie
5. Flanagan's Shenanigans
6. Balanced Scales
7. But Beautiful
8. Let's
9. Tin Tin Deo

Jesper Thilo - tenor saxophone
Tommy Flanagan - piano
Jesper Lundgaard - bass
Lewis Nash - drums

The Jazzpar Windtet:
Flemming Madsen - bass clarinet, baritone saxophone
Uffe Markussen - bass clarinet, soprano saxophone, tenor saxophone
Jan Zum Vohrde - flute, alto saxophone
Steen Hansen, Vincent Nilsson - horn
Henrik Bolberg Pedersen - trumpet

Recorded on April 2, 1993 at The JAZZPAR Prize concert, SAS Falconer Center, Copenhagen, Denmark.