Santana / Abraxas

邦題『天の守護神』。1970年9月リリース。中学生の時にリアルタイムで聴いたアルバム。もう50年前の出来事で、今さら書くことは何もない。1998年リマスター盤CDには、オリジナル盤がリリースされる前のライブ音源(70年4月18日、ロイヤル・アルバート・ホール)が追加されている。

50年前のアルバムであるが、収録曲Gypsy Queenがジャズギターの鬼才Gabor Szabo(ガボール・ザボ)の作品であることを知ったのは、数年前のこと。この曲は、ザボの66年リリースアルバムSpellbinderに収録されている。

1. Singing Winds, Crying Beasts
2. Black Magic Woman / Gypsy Queen
3. Oye Cómo Va
4. Incident At Neshabur
5. Se A Cabo
6. Mother's Daughter
7. Samba Pa Ti
8. Hope You're Feeling Better
9. El Nicoya
10. Se A Cabo
11. Toussaint L'Overture
12. Black Magic Woman / Gypsy Queen

Carlos Santana - lead guitar, backing vocals, producer
Gregg Rolie - keyboards, lead vocals
David Brown - bass
Michael Shrieve - drums
José "Chepito" Areas - percussion, conga, timbales
Mike Carabello - percussion, conga

Rico Reyes - percussion, backing vocals
Alberto Gianquinto - piano (track 4)
Steven Saphore - tabla

Recorded in April 17 - May 2, 1970 at Wally Heider Studios, San Francisco, CA.

Tracks 10, 11 & 12
Recorded on April 18, 1970 at The Royal Albert Hall, London.

Sam Rivers / Fuchsia Swing Song

サム・リバースの初リーダーアルバム。1964年12月11日録音。リバースは、23年9月25日生まれなので、このとき41歳。そして、ドラムのトニー・ウィリアムスは45年12月12日生まれだから、18歳最後の日。親子ほどの歳の差がある二人が、刺激し合って本作の骨格を形成している。

全曲リバースの作品で、アルバム全体の印象は中空を浮遊するようなイメージ。聴き手に迫ってくるのではなく、しっかりと聴かないとどんどん離れていく感じ。それを捕まえるには、トニーのドラムを意識すること。ジャケットの超広角写真も「捕まえてみろ!」と言っている感じだ。

1. Fuchsia Swing Song
2. Downstairs Blues Upstairs
3. Cyclic Episode
4. Luminous Monolith
5. Beatrice
6. Ellipsis
7. Luminous Monolith [alternate take]
8. Downstairs Blues Upstairs [alternate take 1]
9. Downstairs Blues Upstairs [alternate take 2]
10. Downstairs Blues Upstairs [alternate take 3]

Sam Rivers - tenor saxophone
Jaki Byard - piano
Ron Carter - bass
Tony Williams - drums

Recorded on December 11, 1964 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

Sonny Clark / Sonny Clark Trio [Time]

スイングジャーナル選定ゴールド・ディスク。本作をリリースしたレーベルTimeは、60年代半ばから活動を停止。そのため、廃盤状態にあった本作が再リリースされたので、ゴールド・ディスクに選定されたのだろう。全曲、ソニー・クラーク自身の作品で構成されていて、それぞれの曲を他のアルバムで聴く機会がないため地味に感じる。別の言い方をすれば「玄人好み」か。

LPのライナーノーツで、佐藤秀樹氏がクラーク本人のコメントを載せている。「このリズムセクションは豊富な経験を持っているし、望むままのことが直ぐに出来るんだ。ジョージは本当に見事なビートと立派なサウンドを持っているし、彼の使う音符は常に選び抜かれている。マックスはスイングする才能を別にしても、いつも文句ない演奏を見せる。彼はこのトリオを完全にしてくれた。2人はピアニストにとって理想のメンバーだ」。ならば、続編があるのではと思ったが、クラークのディスコグラフィーを調べたところ、このトリオでの演奏は本作のみであった。

1. Minor Meeting
2. Nica
3. Sonny's Crip
4. Blues Mambo
5. Blues Blue
6. Junka
7. My Conception
8. Sonia

Sonny Clark - piano
George Duvivier - bass
Max Roach - drums

Recorded on March 23, 1960 at Capitol Studios, NYC.