Ray Bryant / Ray Bryant Trio [epic]

1956年4月から5月の3つのセッションをまとめたレイ・ブライアントの初リーダーアルバム。レーベルはエピック。ブライアント24歳。タイトルは「トリオ」だが、コンガが2曲に加わっているので、正確には「トリオ+1」。翌57年、プレスティッジから同じタイトルのアルバムがリリース。

正直に言えば、この時点では何の特徴もないブライアントのピアノ。実はそれがいいのだ。ゆったりとして聴き入ることができる。ただし、このジャケットは許されない。アルバムの内容を台無しにしている。

1. Cubano Chant
2. Off Shore
3. Well, You Needn't
4. Cry Me A River
5. In A Mellow Tone
6. You Are My Thrill
7. A Night In Tunisia
8. Goodbye
9. Philadelphia Bound
10. Pawn Ticket
11. The Breeze And I
12. It's A Pity To Say Goodnight

Tracks 1, 5, 6, 7 & 11
Ray Bryant - piano
Wyatt Ruther - bass
Joe Jones - drums
Candido - congas (tracks 1,7)
Recorded on May 3, 1956 in NYC.

Tracks 2, 4, 8 & 9
Ray Bryant - piano
Wyatt Ruther - bass
Kenny Clarke - drums
Recorded on April 3, 1956 in NYC.

Tracks 3, 10 & 12
Ray Bryant - piano
Wyatt Ruther - bass
Osie Johnson - drums
Recorded on May 11, 1956 in NYC.

Ray Brown / Something For Lester

CD帯のキャッチコピー。「ベースの重鎮レイ・ブラウンがご機嫌なメンバーと吹き込んだ寛ぎのトリオアルバム」。確かにその通りで、楽しめるピアノトリオであり、ベースのテクニックも堪能できるが、張り詰めた緊張感がない。エルビン・ジョーンズのディスコグラフィーを見ると、全7曲を3日間かけて録音している。つまり、入念な音合わせがあったのだろう。そのことによって、角が取れてしまったような気がする。サプライズは期待できないアルバム。

ところがである、録音データを読み込むとサプライズがあった。そもそも、アルバムタイトルのLesterとは誰なのか。このアルバムのプロデューサーの一人が、コンテンポラリー・レコードの創設者であるLester Koenig(レスター・ケーニッヒ)であることを発見。ケーニッヒは、1977年11月20日に心臓発作で亡くなっている。本アルバムの録音から5ヶ月後、リリース前である。つまり、ケーニッヒ追悼アルバムの位置付けとなり、ジャケット写真はケーニッヒ没後に撮ったと思われる。レイ・ブラウンの表情が何か意味ありげだ。

1. Ojos De Rojo
2. Slippery
3. Something In Common
4. Love Walked In
5. Georgia On My Mind
6. Little Girl Blue
7. Sister Sadie

Cedar Walton - piano
Ray Brown - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on June 22 (tracks 1,2), 23 (tracks 3,7) & 24 (tracks 4-6), 1977 at Contemporary's Studio, Los Angeles, CA.

Ramsey Lewis / The In Crowd

1966年にグラミー賞を受賞した大ヒットアルバム。改めて収録曲を調べると、ラムゼイ・ルイス作の曲は一つもない。ファンキー・ジャズ、もしくはソウル・ジャズと言われているアルバムでは、リー・モーガンの『ザ・サイドワインダー』、ルー・ドナルドソンの『アリゲーター・ブーガルー』を思い付くが、それらのタイトル曲は、彼ら自身で作曲している。一方のラムゼイ・ルイスは、自分に合った素材を集めてどう仕上げるかに力点を置いているようだ。素材としてテネシー・ワルツまで持ち込んでいる。ジャズ・ボーカルは別として、この曲をピアノトリオで演奏するのは極めて珍しい。料理人ラムゼイ・ルイス。

1. The "In" Crowd
2. Since I Fell For You
3. Tennessee Waltz
4. You Been Talkin' 'Bout Me Baby
5. Love Theme From Spartacus
6. Felicidade (Happiness)
7. Motherless Child
8. Come Sunday
9. Party's Over

Ramsey Lewis - piano
Eldee Young - bass, cello
Red Holt - drums

Recorded on May 13, 14 & 15, 1965 at The Bohemian Cavern, Washington, D.C..