Red Garland / Dig It!

ジャケットにthe RED GARLAND quintet with JOHN COLTRANEと大きく記されているように、レッド・ガーランド名義のアルバムであるが、コルトレーンをフィーチャーしている。ドナルド・バードのトランペットもいい感じで炸裂。3つのセッション(1957年3月、12月、58年2月)によるアルバムで全4曲。コルトレーンは3曲、バードは2曲に参加。

最後のセッションから4年半後の62年8月にリリース。プロデューサーはBob Weinstock(ボブ・ウェインストック)。コルトレーンの勢いを借りて制作したのだろう。3曲目のCTAは、57年にリリース済みのアート・テイラーのアルバムTaylor's Wailersに収録された音源をそのまま借用。こちらも、プロデューサーはウェインストック。彼が2つの借り物でDig It!(掘り起こ)したアルバムなのだ。

1. Billie's Bounce
2. Crazy Rhythm
3. CTA
4. Lazy Mae

Tracks 1, 4
John Coltrane - tenor saxophone
Donald Byrd - trumpet
Red Garland - piano
George Joyner - bass
Art Taylor - drums
Recorded on December 13, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Track 2
Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums
Recorded on February 2, 1958 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Track 3
John Coltrane - tenor saxophone
Red Garland - piano
George Joyner - bass
Art Taylor - drums
Recorded on March 22, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Red Garland / Groovy

学生時代、自宅でよく聴いただけでなく、ジャズ喫茶で何度かリクエストしたことを思い出す。理由は、ポール・チェンバースのベースラインを全身で受け止めようとしたから。特に、一曲目C Jam Bluesのベースラインの左手の運指は何となく覚えている。この曲が入っている所有アルバムを調べたら3枚出て来た。Mingus At Carnegie Hall(チャールズ・ミンガス)、Promenade With Duke(ミシェル・ペトルチアーニ)、Night Train(オスカー・ピーターソン)。本アルバムと同じピアノトリオはNight Trainで、ベースはレイ・ブラウン。レッド・ガーランドとピーターソンの料理の仕方が全く異なるのは興味深い。

ところで、グルーヴィーという言葉をジャズ研時代の仲間と時々使っていたが、イメージはそれぞれ違っていたのではないかと思う。Wikipediaでは次のように冒頭で説明している。「グルーヴとは音楽用語のひとつ。形容詞はグルーヴィー。ある種の高揚感を指す言葉であるが、具体的な定義は決まっていない。語源はレコード盤の音楽を記録した溝を指す言葉で、波、うねりの感じからジャズ、ファンク、ソウル、R&Bなどブラックミュージックの音楽・演奏に関する表現に転じた言葉である」。C Jam Bluesは確かにグルーヴィー。でも、アルバム全体がグルーヴィーという訳ではない。

1. C Jam Blues
2. Gone Again
3. Will You Still Be Mine?
4. Willow Weep For Me
5. What Can I Say Dear
6. Hey Now

Red Garland - piano
Paul Chambers - bass
Art Taylor - drums

Tracks 1, 2 & 3
Recorded on August 9, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 4 & 5
Recorded on December 14, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Track 6
Recorded on May 24, 1957 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Ray Bryant / Here's Ray Bryant

身構えずに正座することもなく、ゆったりとピアノトリオを聴けるアルバムは意外に少ない。エバンスやキースなどを聴くときは、何かをしながらBGM的に聴く自分は許せない。レイ・ブライアントは全くの逆で、まぁ一杯やりながら気軽に聴いてくれよと彼自身が語っているようなのだ。

本作もそんな雰囲気で、インタープレイがどうだとか、原曲の解釈の仕方がなどと語る必要一切なし。素直に楽しめるアルバムで、70年代後半にリリースしたことも重要。ジャズ界の様々な動きに捉われず、ブライアントは自分のやりたいジャズをやっていたということ。だが、せめてジャケットだけは工夫して欲しかった。さらにデビューアルバムでもないのに、タイトルにHere'sを入れるとは…。ブライアントは、そんなことさえ気にしない性格なのかもしれない。

1. Girl Talk
2. Good Morning Heartache
3. Manteca
4. When Sunny Gets Blue
5. Hold Back Mon
6. Li'l Darlin'
7. Cold Turkey
8. Prayer Song

Ray Bryant - piano
George Duvivier - bass
Grady Tate - drums

Recorded on January 10 & 12, 1976 at RCA Recording Studios, NYC.