Phil Woods / Phil Talks With Quill

フィル・ウッズとジーン・クイルによる双頭コンボ時代の録音と言われているが、ジャケット下にはThe Phil Woods Quartet with Gene Quillとある。演奏は対等だが、ビジネス面ではウッズの人気に頼っていた感じを受ける。所有する国内盤CDでは、録音は1957年9月11日のみとなっている。しかし、ウッズのディスコグラフィーを見ると1か月間で計5日のセッションを要している。

ディスコグラフィーが正しければ、セッションを納得いくまで繰り返し、入念に創り込んだアルバムである。確かに、ウッズとクイルの掛け合いなどは、見事に決まっている。タイトルはTalks With(対話する)だが、長い長い語り合いがあったのかも知れない。

1. Doxie
2. A Night In Tunisia
3. Hymn For Kim
4. Dear Old Stockholm
5. Scrapple From The Apple
6. Doxie [take 2]

Phil Woods - alto saxophone
Gene Quill - alto saxophone
Bob Corwin - piano
Sonny Dallas - bass
Nick Stabulas - drums

Recorded on September 11, 26 & 27 and October 4 & 8, 1957 at 30th Street Studio, NYC.

Phil Woods / Woodlore

フィル・ウッズは1931年11月2日生まれ。このアルバムを録音したときは、24歳になったばかり。ウッズのディスコグラフィーによると、トランペッターJon Eardley(ジョン・アードレイ)との共演で最初のアルバムPot Pieを54年10月と55年2月に録音している。アルバムWoodloreは2作目で、ワンホーンでいきなり勝負に出たわけである。

1曲目のWoodloreだけがウッズの作品。辞書には載っていない言葉で、ウッズの造語だろう。loreには伝承という意味があり、Woodsのsを省いて「ウッズの伝言」みたいなイメージだろうか。そんな曲を最初に配置し、ジャケットもモノトーンにしてウッズここにあり的な雰囲気を出している。

1. Woodlore
2. Falling In Love All Over Again
3. Be My Love
4. On A Slow Boat To China
5. Get Happy
6. Strollin' With Pam
7. Woodlore [alternate take 1]
8. Woodlore [alternate take 2]
9. On A Slow Boat To China [alternate take 1]
10. On A Slow Boat To China [alternate take 2]

Phil Woods - alto saxophone
John Williams - piano
Teddy Kotick - bass
Nick Stabulas - drums

Recorded on November 25, 1955 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.