Modern Jazz Quartet / European Concert

MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)は室内音楽と評されることが多いが、このアルバムを聴くと、むしろライブで力を発揮するグループだったのではないだろうか。スタジオでの録音に比べて、テンポが良く観客も見事に反応している。

MJQの傑作アルバムの一つである。問題はタイトル。ライブ録音は、スウェーデンでの3日間で、ストックホルムとヨーテボリの2都市。なぜに、ヨーロピアン・コンサートとアバウトにしてしまったのか。ジャケットの配色もフランス国旗をイメージしている感じ。客席からは割れんばかりの拍手が起きるが、スウェーデン人には心から愛されていないアルバムかもしれない。

1. Django
2. Bluesology
3. I Should Care
4. La Ronde
5. I Remember Clifford
6. Festival Sketch
7. Vendome
8. Odds Against Tomorrow
9. Pyramid (Blues for Junior)
10. It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)
11. Skating In Central Park
12. The Cylinder
13. 'Round Midnight
14. Bags' Groove
15. I'll Remember April

Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Connie Kay - drums

Tracks 1 - 4, 8 & 11
Recorded on April 12, 1960 in Goteborg, Sweden.

Tracks 5, 6, 9, 12 & 14
Recorded on April 11, 1960 in Stockholm, Sweden.

Tracks 7, 10 & 13
Recorded on April 13, 1960 in Stockholm, Sweden.

Modern Jazz Quartet / Pyramid

4回のセッションを1つにまとめたアルバム。セッションの詳細は1959 8/22 - Django, 59 8/25 - Romaine, 59 12/21 - It Don't Mean A Thing & Pyramid, 60 1/15 - Vendome & How High The Moonとなっていて、約5ヶ月間を要している。つまり、何かテーマを持ったアルバムを作ろうとしたのではなく、セッションを重ねアルバム1枚分が揃ったからリリースしたと想像できる。

6曲全部が平均点以上の出来なのだが、このアルバムを象徴する曲がないとも言える。Pyramidという曲があっても、ピラミッドの頂点に立つ曲がないのだ。さらに、ジャケットのピラミッドの中にある物体は何なのだろう。ネットで調べたら、どうも内部の構造を示しているらしい。表面の頂点ではなく、アンサンブルの中身を聴いてくれと言っているのかも知れない。

1. Vendome
2. Pyramid
3. It Don't Mean A Thing (If It Ain't Got That Swing)
4. Django
5. How High The Moon
6. Romaine

Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Connie Kay - drums

Recorded on August 22 & 25, December 21, 1959 and January 15, 1960 at Music Inn, Lenox, Massachusetts and Capitol Studios, NYC.

Modern Jazz Quartet / No Sun In Venice

邦題『たそがれのヴェニス』。CD帯から。「ターナーの絵画を使った美しいジャケット・カバーも印象的なこの作品は、ロジェ・ヴァディム監督による57年の映画〈大運河〉のためにジョン・ルイスが書いたスコアをMJQが演奏したもの。映画のシーンに見事にマッチしているだけでなく、優雅なMJQの個性が最高に発揮されて、純粋なジャズ作品としてもこの上なく魅力的なアルバムになっている。翌年のダウンビート誌でも、”ベスト・ジャズ作品”に選ばれた名盤中の名盤」。

絵画も映画も詳しくないので、映画のシーンにマッチしているかの判断は自分にはできない。それにしても、音のバランスが最悪である。シンバルがシャリシャリしていて、ピアノが引っ込み過ぎ。CD化に際して、不自然な細工をしたのではないだろうか。ネット上で、そういう意見は探せなかったので、完全限定版・定価1,000円に限定された現象かもしれない。

1. The Golden Striker
2. One Never Knows
3. The Rose
4. Cortege
5. Venice
6. Three Windows

Milt Jackson - vibraphone
John Lewis - piano
Percy Heath - bass
Connie Kay - drums

Tracks 1 - 3, 5 & 6
Recorded on August 24, 1957 at Music Inn, Lenox, Massachusetts.

Track 4
Recorded on April 4, 1957 in NYC.