Lee Konitz / Inside Hi-Fi

CD帯から。「クール・ジャズの創始者トリスターノ門下の筆頭格コニッツが、アトランティックに残した初期の代表作。ピアノレス・カルテットで冴える切れ味鋭いアルトサックスをはじめ、テナーサックスを吹いたトラックも収録した貴重盤」。間違いはないけれど、誤解される文。ピアノレスではなく、ギタートリオとピアノトリオをバックにした2つのセッションを収録。全8曲中、5曲がテナーで残りがアルト。

それにしても、なぜにタイトルにHi-Fiという言葉を使ったのか。本作の録音は1956年で、この言葉が定着し始めた頃。High Fidelity(高忠実度、高再現性)の略なので、原曲を無理に崩さない忠実な演奏、というか秩序立った演奏といいたいのだろう。それを表現したジャケット写真が、電子回路の向こうにリー・コニッツの顔。

1. Kary's Trance
2. Everything Happens To Me
3. Sweet And Lovely
4. Cork 'N' Bib
5. All Of Me
6. Star Eyes
7. Nesuhi's Instant
8. Indiana

Tracks 1 - 4
Lee Konitz - alto saxophone, tenor saxophone
Billy Bauer - guitar
Arnold Fishkin - bass
Dick Scott - drums
Recorded on October 16, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Tracks 5 - 8
Lee Konitz - alto saxophone, tenor saxophone
Sal Mosca - piano
Peter Ind - bass
Dick Scott - drums
Recorded on September 9, 1956 at Rudy Van Gelder Studio, Hackensack, New Jersey.

Lee Konitz / Lee Konitz With Warne Marsh

リー・コニッツは1927年10月13日生まれ、ウオーン・マーシュは同年同月27日生まれである。2週間だけコニッツが兄貴分。マーシュは87年12月18日に60歳で他界。コニッツはどうしているかと調べたら、今年の4月15日に92歳で亡くなっていた。偉大なるジャズマンがまた一人消えた。

全体的にとてもリラックスした演奏を楽しめる。たぶん、このセッションに参加したメンバーも自分たちの演奏に酔いしれたのではないだろか。ジャケットの写真からも、そんなことがうかがえる。アルバムタイトル通り、リー・コニッツとウオーン・マーシュの絡み合いが絶妙。サックスという楽器の温かみを発揮している。そして、アルバム全体をしっかり引き締めているのはオスカー・ペティフォードのベース。

1. Topsy
2. There Will Never Be Another You
3. I Can't Get Started
4. Donna Lee
5. Two Not One
6. Don't Squawk
7. Ronnie's Line
8. Background Music

Lee Konitz - alto saxophone
Warne Marsh - tenor saxophone
Billy Bauer - guitar
Sal Mosca - piano (tracks 2,4-6,8)
Ronnie Ball - piano (track 7)
Oscar Pettiford - bass
Kenny Clarke - drums

Recorded on June 14 & 15, 1955 at Coastal Studios, NYC.