John Coltrane / Cosmic Music

1966年2月録音2曲、1968年1月録音2曲の構成。コルトレーンの死後、妻アリスが企画制作したアルバム。68年はコルトレーンが亡くなった半年後、アリスが中心となったセッションであり、ファラオ・サンダース、ジミー・ギャリソン、ベン・ライリーが集められた。彼らは、アルバムの企画を知らなかったのではないだろうか。

LPでは録音順とはせずにA面とB面に分散させた。68年のセッションをB面に配置してしまうと、自分主体の演奏を聴いてもらえないとアリスは判断したのだろう。アリスは2007年1月に他界し、CD化で曲順が入れ替わるかと思ったが、LPと同じであった。久しぶりに4曲通して2度聴いた。やはり違和感が残るアルバムである。

1. Manifestation
2. Lord, Help Me To Be
3. Reverend King
4. The Sun

Tracks 1 & 3
John Coltrane - tenor saxophone, bass clarinet
Pharoah Sanders - tenor saxophone, piccolo
Alice Coltrane - piano
Jimmy Garrison - bass
Rashied Ali - drums
Ray Appleton - percussion
Recorded on February 2, 1966 in San Francisco.

Tracks 2 & 4
Pharoah Sanders - tenor saxophone
Alice Coltrane - piano
Jimmy Garrison - bass
Ben Riley - drums
Recorded on January 29, 1968 in NYC.

John Coltrane / Interstellar Space

邦題『惑星空間』。タイトルに合わせて曲名も惑星(火星、金星、木星、土星)の名称にしている。CD化でLeoとJupiter Variationの2曲が追加され、惑星の間に入り込んだ。コルトレーンとラシッド・アリの一騎打ち。死を迎える5か月前の録音。彼は何を目指していたのだろう?

ジャズという音楽は、ある意味で酷である。前進しなければ受け入れてもらえない。フォークやロックは、その時代をいかに反映するかが勝負になるのだろうが、ジャズはミュージシャンとしての進化が問われてしまう。ところが、コルトレーンは時代や聴き手の存在を意識せず(いや、意識はしていたのかもしれないが、決して迎合せず)、自らの音楽を追及していった。そして、40歳にして生命を閉じる。

1. Mars - fourth from the Sun; battlefield of the cosmic giants
2. Leo
3. Venus - second from the Sun; love
4. Jupiter Variation
5. Jupiter - fifth from the Sun; supreme wisdom
6. Saturn - sixth from the Sun; joy

John Coltrane - tenor saxophone, bells
Rashied Ali - drums

Recorded on February 22, 1967 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

John Coltrane / Live In Japan

2枚組LPでリリースされた時は、タイトルがColtrane In Tokyo Vol.1 & 2だった。CDは常にチェックしていたのが、見つからなかったのはLive In Japanとタイトルを変えてしまったから。東京以外のライブも収録したのなら、タイトルを変えるのはやむを得ないが、リソースは同じ。決定的に違うのは、全ての曲がLPの片面に収まらず、曲が分断されてしまったこと。例えば、トレーンの十八番My Favorite Thingsは57分19秒。この曲を1時間近く演奏した録音は、他に残っていない。所有するアルバムで、次に長いのはThe Olatunji Concertに収められた34分37秒。

1966年7月のトレーンの日本公演は、アルバム化を予定していなかった。11日のサンケイホール、22日の厚生年金ホールのライブだけがラジオ放送用として録音が許可されていたらしい。トレーンは、演奏時間を意識することなく納得するまで吹きまくった。その結果、57分を超えてしまったということだ。Crescentは54分34秒、Leoは44分51秒。トレーンは自身を徹底的に解放した。一年後に迫りくる自分の死を予感していたのではないだろうか。LP Vol.1は、Leoの演奏の最後に司会のいソノてルヲが「2時間10分による大熱演。皆さんもお疲れになったと思います」とアナウンスして終わるのだが、CDではDisc 3に入っている。つまり、Disc 3と4は順番を間違えている。

Disc 1
1. Afro Blue - 38:49
2. Peace On Earth - 26:24

Disc 2
1. Crescent - 54:34

Disc 3
1. Peace On Earth - 25:04
2. Leo - 44:51

Disc 4
1. My Favorite Things - 57:19

John Coltrane - soprano saxophone, alto saxophone, tenor saxophones, bass clarinet, percussion
Pharaoh Sanders - alto saxophone, tenor saxophones, bass clarinet, percussion
Alice Coltrane - piano
Jimmy Garrison - bass
Rashied Ali - drums

Disc 1 & 2
Recorded on July 11, 1966 at Sankei Hall, Tokyo.

Disc 3 & 4
Recorded on July 22, 1966 at Koseinenkin Hall, Tokyo.