John Coltrane / Duke Ellington & John Coltrane

In A Sentimental Moodを録り終えた時、コルトレーンとデューク・エリントンのやりとりがあったことは有名である。コルトレーンの"Let's do it again."の提案に対し、エリントンは"John, that was such a great performance."と答えた。さらに、"John, don't do it again. That's it."と止めを刺したのである。この時、コルトレーンは大先輩エリントンから、一発勝負の厳しさを教わったのだと思う。

コルトレーンのディスコグラフィーに記載された録音当日のマトリクス番号を見ると、Stevieから録音が始まり、2曲目がIn A Sentimental Moodとなっている。残りの5曲に、コルトレーンは気合を入れ直して臨んだに違いない。コルトレーンにとって、大きな分岐点となった一枚である。

1. In A Sentimental Mood
2. Take The Coltrane
3. Big Nick
4. Stevie
5. My Little Brown Book
6. Angelica
7. The Feeling Of Jazz

John Coltrane - tenor saxophone, soprano saxophone (track 3)
Duke Ellington - piano
Aaron Bell - bass (tracks 1,4,5,7)
Jimmy Garrison - bass (tracks 2,3,6)
Elvin Jones - drums (tracks 1-3,6)
Sam Woodyard - drums (tracks 4,5,7)

Recorded on September 26, 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

John Coltrane / Coltrane on Impulse

CD化でBig NickとUp 'Gainst The Wallが、ボーナストラックとして追加された。Big Nickは、日本ビクターが1981年にMCAレーベルとしてLPで発売したオムニバスアルバムBig Nickに収録済み。Up 'Gainst The Wallは、アルバムImpressionsに収録されているものと同じ。ということで、ボーナスの価値はBig Nickのデジタル化のみ。

上記の理由によるものではなく、このアルバムはそれほど重要視されていない。モードという武器を手に入れたものの、安定した曲の構成に留まっている。爆発する前の充電の時期ともいえ、一種の不気味ささえ感じる。だが、それはトレーンの死後から遡って聴けるからこそ言えるのだ。このアルバムが発売された当時は、どのような反響があったのだろうか。

1. Out Of This World
2. Soul Eyes
3. The Inch Worm
4. Tunji
5. Miles' Mode
6. Big Nick
7. Up 'Gainst The Wall

John Coltrane - tenor saxophone, soprano saxophone
McCoy Tyner - piano
Jimmy Garrison - bass
Elvin Jones - drums

Recorded on April 11 (#3 & 6), June 19 (#1 & 2), June 20 (#5), June 29(#4) and September 18 (#7), 1962 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.

John Coltrane / The Inner Man - Live At Birdland

かつて、The Inner Manというタイトルで発売されたLPで、ライナーノーツの副題には「バードランドのコルトレーンとドルフィ」とあった。だが、1963年10月録音のライブアルバムColtrane live at Birdlandがすでにリリースされていたため、ちょっと意味不明なタイトル(精神的な男?)にせざるを得なかったのだろう。

CDを探し続けてきて、ようやく見つかった。CHARLYというレーベルで、CHARLY'S LE JAZZ SERIESのNo.58である。タイトルはLive At Birdlandとなり、ジャケットの中にはInner Manの表現がどこにも見つからないが、iTunesに落とすと、この言葉が勝手に付いてきた。手元に数枚のコルトレーンのアルバムしかないとき、手に入れたLP。斉木克己氏のライナーノーツの日付は、1977年7月17日(コルトレーンの命日)。収録された4曲を聴いてぶっ飛び、それ以来コルトレーンを追いかけるようになった。自分にとって記念すべきアルバム。CDで改めて聴いて、またぶっ飛んだ。

1. Mr. P.C.
2. Miles' Mode
3. My Favorite Things
4. Body And Soul

John Coltrane - soprano saxophone, tenor saxophone
Eric Dolphy - alto saxophone, flute (tracks 1-3)
McCoy Tyner - piano
Jimmy Garrison - bass
Elvin Jones - drums

Tracks 1, 2 & 3
Recorded on February 10, 1962 at Birdland, NYC.

Track 4
Recorded on June 2, 1962 at Birdland, NYC.