Joe Pass / Unforgettable

ジョー・パスのギターソロ。しかも、ガットギターでスタンダード全17曲を貫き通したアルバム。パスは1973年8月にソロアルバムVirtuosoを録音している。それから19年後、ソロに再挑戦したということは、彼自身の中に強い思いがあったからなのだろう。

パスは94年5月に他界。享年65。その2年近く前の録音であることを考えると、自分の死を予感し、一人だけでのパフォーマンスをもう一度残しておきたかったのかも知れない。Wikipediaによると肝臓癌で他界したとあった。しかし、本作のリリースは98年。なぜにテープは数年間も眠らされたのか。そんなことはさておき、ジャズギターを愛する人はじっくりと聴くべきアルバムなのだ。

1. My Romance
2. The Very Thought Of You
3. I Cover The Waterfront
4. Isn't It Romantic?
5. Walkin' My Baby Back Home
6. Autumn Leaves
7. 'Round Midnight
8. I Should Care
9. Unforgettable
10. Don't Worry 'bout Me
11. Spring Is Here
12. Moonlight In Vermont
13. April In Paris
14. Stardust
15. You'll Never Know
16. After You've Gone
17. I Can't Believe You're In Love With Me

Joe Pass - acoustic guitar

Recorded on August 7, 11 & 20, 1992 at Group IV Recording Studio, Hollywood, CA.

Joe Pass / Virtuoso

一本のギターでアルバムを作るというのは、それなりの覚悟がいるだろう。演奏側は極度の緊張感、リスナーに対して提供するのは解放感と僅かな緊張感。ジョー・パスが取った戦略は、スタンダード曲を中心にした構成。そして、一曲の長さは3分半から5分半程度。

40歳代半ばの挑戦。ジャケットの写真が録音を終えた時であれば、何とかやり切ったなぁという表情である。Virtuoso ― 名人芸。まさしく、アルバムタイトル通り。

1. Night And Day
2. Stella By Starlight
3. Here's That Rainy Day
4. My Old Flame
5. How High The Moon
6. Cherokee
7. Sweet Lorraine
8. Have You Met Miss Jones?
9. 'Round Midnight
10. All The Things You Are
11. Blues For Alican
12. The Song Is You

Joe Pass - guitar

Recorded on August 28, 1973 at MGM Recording Studios, Los Angeles.

Joe Pass / For Django

1曲目のジョン・ルイス作Djangoで、本アルバムの全てを語ってしまった感がある。あとに続く9曲には、これと言ったメリハリがある訳でなく、ゆったりと流れ過ぎて行く。

ジョー・パスとジョン・ピサノによるギター2本、そしてベースとドラムという構成で、ピサノはバッキングに専念。一曲一曲は見事な演奏なのだが、ギター同士の駆け引きなどはなく、アルバム全体を単調なものにしてしまっている。名演は必ずしも名盤にならないという見本。

1. Django
2. Rosetta
3. Nuages
4. For Django
5. Night And Day
6. Fleur D'Ennui
7. Insensiblement
8. Cavalerie
9. Django's Castle
10. Limehouse Blues

Joe Pass - guitar
John Pisano - guitar
Jim Hughart - bass
Colin Bailey - drums

Recorded on October 20, 1964 in NYC.