五つの赤い風船 / Flight - アルバム第5集 Part2

「五つの赤い風船」というグループが存在した時、自分が中学生から高校一年だったというのは大きな巡り合せ。ジャズへ辿り着く一つの入り口だったような気がする。普通のフォークグループとは異なり、実験的でもあり、トータルとしての音作りにこだわった風船。

ライナーノーツで西岡たかしが、こう書いている。「このアルバムはPART1(New Sky)とPART2(Flight)から出来ていて、今、あなたが耳にしているのがPART2(Flight)なのです。不思議な事になったのですが、ボクらの意図とはうらはらにPART2からお聞かせすることになりました。最初は二枚組で出すつもりだったのですが、わからないものです……」。

1. ボクは風
2. そんな気が…
3. つまらない…
4. 小石をけって見よう
5. ふる里の言葉は
6. 風がなにかを…
7. 同じ穴のなんとかさ!
8. めめずはん
9. キリンさん
10. 淋しいサイの目
11. さァ、これでやっと

西岡たかし - 唄、ギター、12弦ギター、フラットマンドリン、ティンパニ
藤原秀子 - 唄
東祥高 - ピアノ、オルガン、チェレスタ
長野隆 - ベース、ピアノ、唄

録音 アオイスタジオ 1971年4月8, 9, 11, 12, 24日, 5月9, 10, 14日

五つの赤い風船 / New Sky - アルバム第5集 Part1

いまだに手放せない2枚のLP。タイトルはPart1がNew Sky、Part2がFlight。二枚組で出す予定だったらしいが、Part2からリリースされた。CDは2枚組で本来の形になった。しかし、New Skyに収録された5曲は組曲的な性格を持っていて、LPを2枚に分けたのは正解だったと思う。全て西岡たかしの作詞作曲である。

「時々それは」 時々それは生きのびる事も許さないし/死人の顔と皮膚のたるみが/紫に暗い沼に向かって走って行く

「私は地の果てまで」 苦しいからって逃げないでいるのは/あなただけなのでしょうか/私は逃げる地の果てまで/どこまでもどこまでも

「ボクは愛など知らないし」 ボクは愛など知らないし/一度も手にしもしない/その日のDJはつらい/何度も何度も心の中で涙をぬぐい/おかしな声で笑うのだ

「たまには一度は」 たまには一度は/歩いているこの足を止めてなんにもしないで/ただボーッと立っているのもいいものです/ボクにはこんな時がいるのです

「私は広い海に出る」 私は広い海に出るわ/色んな所へ行ってみたわ/小さな部屋が私を許さないわ/とても青い海だったわ

1. 時々それは
2. 私は地の果てまで
3. ボクは愛など知らないし
4. たまには一度は
5. 私は広い海に出る

西岡たかし - 唄、ギター、ヴィブラフォン
藤原秀子 - 唄
東祥高 - ピアノ、オルガン、ヴィブラフォン、アコーデオン
長野隆 - ベース、唄

録音 アオイスタジオ 1971年4月8, 12, 24, 25日, 5月14日

五つの赤い風船 / フォーク・アルバム第1集

LPでまだ所有しているアルバム。見開きのジャケット。中に両面の歌詞カード2枚が組み込まれている。使われている10枚ほどの写真は新宿西口。この写真の頃は、中学生になったばかり。ちょっと遊びに行く場合は、中野駅のブロードウェイ。まだサンプラザはなかった。このレコードも中野で買ったはずだ。中野になかったのは電子部品屋。その時は、新宿を越えて秋葉原によく行った。

やがて、趣味がラジオ工作からフォークソングにシフトしていったのは、このアルバムが一つのきっかけになった気がする。フォークギターは持っていたが、オートハープを購入したのだ。この楽器は、「遠い世界に」で効果的に使われている。オートハープは、ボタンを押せば簡単にコードが弾ける弦楽器。たしか36本の弦があって、チューニングが大変だった。大学進学の時、この楽器は友人へ渡してしまった。理由はちゃんと覚えていないが、大学に行ったらジャズをやる!と決めたからかもしれない。なお、本作はCD化されているが、廃盤同様で非常に高価で手が出ない。

1. 恋は風に乗って
2. 遠い空の彼方に
3. 血まみれの鳩
4. もしもボクの背中に羽根が生えてたら
5. 一つのことば
6. 遠い世界に
7. まぼろしのつばさと共に
8. 時計
9. 母の生まれた街
10. 一滴の水
11. おとぎ話を聞きたいの

西岡たかし / 長野隆 / 藤原秀子 / 東祥高