1970年 全日本フォーク・ジャンボリー「だからここに来た!」 [DVD]

CD『1970年 全日本フォークジャンボリー』では、こんなことを書いた。「2枚組LPで所有していたが、高校時代に渡米する友人に贈ってしまった。LPには、小室等と六文銭の〈ゲンシバクダンの歌〉、岡林信康の〈私たちの望むものは〉が入っていたと思うのだが、CDでは割愛されている。前者は放送禁止歌、後者は著作権の問題と想像する。LPやCDに音楽史を残す価値があると考えれば、非常に残念である」。しかし、このDVDには、「ゲンシバクダンの歌」と「私たちの望むものは」が挿入されているのだ。

Disc 2はオマケみたいな存在。はっぴいえんどのアルバム『風街ろまん』の時代を風景にした映像。はっぴいえんどのメンバーは写真でしか登場しない。岡林信康と泉谷しげるの対談は、何かを論じるのではなく昔話で終わっている。

フォークジャンボリー / 1971年全日本フォークジャンボリー

1970年と71年のフォークジャンボリーを続けて聴くと、ここに変曲点があったという気がする。アングラからメインストリームへの転換。その象徴が吉田拓郎の出現であり、加川良や六文銭の台頭である。このフェスティバルの一週間前にバングラデシュ・コンサートがニューヨークであった。この頃、アメリカのフォークやロックは世界を見ていた。日本のフォークは自己のみを見ていた。どうだろう。比較しても意味はないだろうか。

斉藤哲夫「俺たちの時代」の一節。

よく聞いてほしい
夢がないわけじゃない
その日は いつかやって来るはずだ
すべてが すべてが変わりだし すべてが廻り出す
すべてが 新しい流れに
暗やみをこえて 光あるどこかへ

Disc 1
1. 教訓Ⅰ / 加川良
2. 遠い世界に / 藤原秀子
3. 人間なんて / 吉田拓郎
4. 雨が空から降れば / 六文銭
5. ひとりぼっちのお祭り / 六文銭
6. 面影橋から / 六文銭
7. こんなに遠くまで / のこいのこ
8. 赤色エレジー / あがた森魚
9. 僕は一体だれでせう / 野沢淳司
10. 秋田竹刀打ち唄 / 山平和彦とマイ・ペース
11. 自転車にのって / 高田渡・岩井宏・加川良
12. かみしばい / 岩井宏

Disc 2
1. 教訓Ⅱ / なぎらけんいち
2. サラリーマンをバカにしてはダメよ / 岩井宏
3. カレーライス / 遠藤賢司
4. サーカスにはピエロが / ザ・ディランⅡ
5. かくれんぼ / はっぴいえんど
6. 春よ来い / はっぴいえんど
7. もしも / 武蔵野タンポポ団
8. 俺たちの時代 / 斉藤哲夫
9. 俺とボビー・マギー / 中川五郎
10. お前と俺 / 加川良

1971年8月7, 8, 9日

フォークジャンボリー / 1970年全日本フォークジャンボリー

2枚組LPで所有していたが、高校時代に渡米する友人に贈ってしまった。LPには、小室等と六文銭の「ゲンシバクダンの歌」、岡林信康の「私たちの望むものは」が入っていたが、CDでは割愛されている。前者は放送禁止歌、後者は著作権の問題と想像するのだが。

LPやCDに音楽史を残す価値があると考えれば、非常に残念である。ラストの「春よ来い」。同月の5日に、はっぴいえんどの通称「ゆでめん」が発売されている。50年以上前の時代の潮流を感じる。このCDで岡林の声をやはり聴きたかった。

Disc 1
1. 怪盗ゴールデンバットのうた / なぎらけんいち
2. 海の風 / バラーズ
3. ハナゲの伸長度に関する社会学的考察 / ひがしのひとし
4. 南京豆の唄 / アテンション・プリーズ
5. こもりうた / アテンション・プリーズ
6. ごあいさつ / 高田渡
7. 銭がなけりゃ / 高田渡・岩井宏
8. 赤土の下で / 高田渡・加川良
9. この世に住む家とてなく / 高田渡・加川良・岩井宏
10. 9月になれば / のこいのこ
11. あげます / のこいのこ
12. よせばやし / 田楽座
13. 夜汽車のブルース / 遠藤賢司
14. 満足出来るかな / 遠藤賢司
15. 血まみれの鳩 / 五つの赤い風船
16. これが僕らの道なのか / 五つの赤い風船
17. 遠い世界に / 五つの赤い風船

Disc 2
1. ジプシーの音楽 / チェコスロヴァキア スルク大舞踏合唱団
2. 追分 / 村岡実とニュー・ディメンション・グループ
3. ねえ踊ろうよ / 遠藤賢司
4. ああどうしたんだろう / 藤原豊
5. 値上げ / 高田渡
6. 悩み多き者よ / 斉藤哲夫
7. 雨が空から降れば / 小室等と六文銭
8. 賞状 / 小室等と六文銭
9. 春よ来い / はっぴいえんど

1970年8月8日 13:45開幕 / 9日 12:00閉幕