Eric Dolphy / Last Date

1964年6月2日録音のスタジオライブ。「ラストデイト」ではあるが、「ラストレコーディング」ではない。このアルバムを録音した9日後の11日、パリでのセッションが録音され、タイトルUnrealized Tapesとして一時的にアルバム化された。しかし、今は完全に廃盤状態。そういう意味で、タイトルを「ラストレコーディング」としなかったのは、正解である。本作は収録された曲以上に、アルバム最後のドルフィーの肉声が注目される。

When you hear music, after it's over, it's gone in the air. You can never capture it again…「音楽は空(くう)に消え、二度と捉えることは出来ない」。ジャズの本質を捉えたメッセージ。そして、6月29日、ドルフィーは祖国に帰ることなくベルリンにて死去。このメッセージは、スタジオでの録音後に語ったと長い間思っていた。だが、児山紀芳氏によるライナーノーツには、「ドルフィーが死の3か月前にミンガスと一緒にヒルヴェルサムに来たときに残していったインタビューの一部だった」とあった。となれば、インタビュー全体を聴きたいのだが、それも空(くう)に消えてしまったようだ。

1. Epistrophy
2. South Street Exit
3. The Madrig Speaks, The Panther Walks
4. Hypochristmutreefuzz
5. You Don't Know What Love Is
6. Miss Ann - Eric's Voice

Eric Dolphy – bass clarinet, flute, alto saxophone
Misha Mengelberg – piano
Jacques Schols – double bass
Han Bennink – drums

Recorded on June 2, 1964 at VARA Studio, Radio Nederland, Hilversum, Holland.

★ 2022年6月8日に、「さくらのブログ」へ以下のコメントをいただいた。感謝。

はじめまして、Dolphyファンです。
既にご存じかも知れませんがインタビューは残っています。

Alan Saulさんのサイトに音声データ(5分28秒)とテキストが公開されています。
Dolphyの肉声が聞けます。
http://adale.org/Discographies/deRuyter.html

また、Nelsonさんが日本語訳をサイトに掲載しています。(ありがたいです。)
http://modernjazznavigator.a.la9.jp/chat/ch1181.htm
ご参考までに。

遠藤賢司 / 満足できるかな

1971年11月10日発売。見開きジャケットで2,000円。まだ中学3年だったが発売と同時に購入し、「カレーライス」のギターフレーズを練習したことを覚えている。当然ながらLPは47年間手放していない。自分でデジタル化した音源を聴いてきたのだが、それなりのノイズがあるので中古CDを購入。送料別で14円。1971, 2000, 47, 14という数字が「時」の長さと短さを示している。

1. 満足できるかな
2. カレーライス
3. おやすみ
4. 待ちすぎた僕はとても疲れてしまった
5. 外は暑いのに
6. 今日はいい日みたい
7. 寝図美よこれが太平洋だ
8. ミルク・ティー
9. 早く帰ろう
10. 雪見酒
11. 君はまだ帰ってこない

遠藤賢司 - guitar, harmonica, vocals
鈴木茂 - guitar
細野晴臣 - bass, piano
松本隆 - drums

遠藤賢司 / niyago

湯浅学『ボブ・ディラン ロックの精霊』(岩浪新書)の155ページに「純音楽家遠藤賢司は六五年、ラジオから流れてきた〈ライク・ア・ローリング・ストーン〉を聴いて、”自分も歌ってよいのだ”と思い、曲を作って歌うようになったという」。と書いてある。湯浅氏の言う「純音楽家」とは賢司による自称であるが、賢司のWikipediaを見ると、ディランに触発されたという同じ記述がある。中学校2年の時このLPを購入し、我が家にはまだ健在。その頃から気になっていたのは、ジャケットの写真。向かって賢司の左に見える人の顔は何なのだろう。

最近、CDを手に入れた。その帯にはこうある。「”不滅の男”遠藤賢司の記念すべきデビューアルバム。叫びをおし殺した叫びが聞こえる。70年度ニューミュージック・マガジン誌 日本のロック賞第二位」。調べてみると第一位は、8月5日発売のアルバム『はっぴいえんど』だった。アルバム『niyago』には、大滝詠一を除くはっぴいえんど(細野晴臣、鈴木茂、松本隆)のメンバーが参加。1970年、日本のロックが開花。

1. 夜汽車のブルース
2. ほんとだよ
3. ただそれだけ
4. 君がほしい
5. 雨あがりのビル街 僕は待ちすぎてとても疲れてしまった
6. 君のことすきだよ
7. 猫が眠っている, NIYAGO

遠藤賢司 - guitar, harmonica, vocal
鈴木茂 - guitar (tracks 1,5), bass (track 4)
細野晴臣 - bass (tracks 1,5), guitar (track 4), piano (track 1)
深澤由利子 - violin (track 2)
鈴木令 - cello (track 2)
松本隆 - drums (tracks 1,4,5)

発売 1970年4月8日