Dizzy Reece / Soundin' Off

後藤雅洋著『一生モノのジャズ名盤500』で、「〈前略〉ジャマイカ出身のブラックピープルとは言え、イギリスで活動していたディジー・リースの演奏には通好みの渋い味わいがある。トランペットサウンドも変にピカピカしない落ち着きがある。〈後略〉」と紹介されている。この「ピカピカしない」という表現がいかにも後藤氏らしい。自分の中では絶対に出てこない言い回し。

ワンホーンながらも、自分だけがというところはなく、メンバーそれぞれの力を引き出そうとしている感じ。ジャケットの写真も一歩退いている。タイトルSoundin' Offに関して、岡崎正道氏がライナーノーツの中で「大きな音で吹きまくる」と解説している。何となく演奏内容とイメージが合わないので、調べてみると、「あからさまに言う」、「まくしたてる」という意味があるようだ。リースがピカピカしないトランペット1本でメンバーを鼓舞しているという感じではないだろうか。

1. A Ghost Of A Chance
2. Once In A While
3. Eb Pob
4. Yesterdays
5. Our Love Is Here To Stay
6. Blue Streak

Dizzy Reece - trumpet
Walter Bishop Jr. - piano
Doug Watkins - bass
Art Taylor - drums

Recorded on May 12, 1960 at Rudy Van Gelder Studio, Englewood Cliffs, New Jersey.